日本の玄関口や観光地にある公共トイレが、今まさに驚くべき進化を遂げています。これまでの「暗くて汚い」というネガティブなイメージを完全に覆し、訪れる人々を心地よく迎える「おもてなしの空間」へと生まれ変わっているのです。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、急増する外国人観光客や障がいを持つ方々が快適に過ごせるよう、全国の自治体や企業が知恵を絞っています。
SNSでも「日本のトイレの進化が凄すぎる!」「もはやアトラクション並み」と、そのクオリティの高さが大きな話題を集めています。単に用を足す場所にとどまらない、日本の技術が詰まった最新のトイレ事情に迫ってみましょう。
便座に座るだけで疲労度がわかる?高速道路の「健康トイレ」
東名高速道路の海老名サービスエリアでは、驚きの新技術が導入されました。中日本高速道路が2019年12月末に設置した「健康トイレ」は、便座に腰かけるだけで自分の体調を診断してくれる画期的なシステムです。これは介護や医療の現場で実際に活用されている「バイオセンシング技術」を応用したもので、便座のセンサーが肌を通じて血管の微細な振動をキャッチし、心拍の間隔から疲労度を割り出す仕組みとなっています。
ボタンを押して1分ほど待つだけで、画面に「疲れていない」といった診断結果が分かりやすく色別に表示されます。このエリアの近くには渋滞の名所として知られる大和トンネルがあるため、ドライバーに自らの疲労具合を客観的に把握してもらい、ゆとりを持った安全運転につなげてもらう狙いがあります。実際に体験した利用者からも、休憩の目安になって非常に助かると好評です。
世界遺産の街でも!多言語対応とバリアフリーの徹底
世界遺産・厳島神社を抱える広島県廿日市市では、2019年8月に「TOTO宮島おもてなしトイレ」が誕生しました。従来の4人分から26人分へと一気に規模を拡大し、混雑を大幅に緩和しています。さらに、親子で一緒に入れる個室や車いすの方が使いやすい優先スペースを設けるなど、ユニバーサルデザインが徹底されています。ユニバーサルデザインとは、年齢や国籍、障がいの有無に関わらず、すべての人が利用しやすいように設計されたデザインのことです。
また、外国人観光客への配慮として、スマートフォンの接続履歴から言語を自動で判別するシステムも導入されました。日本語、英語、フランス語、中国語、韓国語の5つの言語に対応し、個室内のモニターで温水洗浄便座の使い方を分かりやすく動画で解説してくれます。日本の高機能なトイレに戸惑いがちな外国人の方でも、これなら安心して使用できますね。
駅のトイレも快適に!混雑を回避するアプリ連動サービス
私たちの日常に欠かせない駅のトイレも、利便性が飛躍的に向上しています。東急電鉄の二子玉川駅では、通常は1つしか設置されないことが多い多目的トイレを2つ並べて配置しました。さらに一般の個室も広めの設計にすることで、ベビーカーを利用する方などもスムーズに利用できるよう配慮されています。
一方、小田急電鉄ではスマートフォンを活用したユニークな取り組みをスタートさせました。専用アプリをダウンロードすると、乗降客数が非常に多い新宿駅や下北沢駅、大和駅のトイレの空き状況をリアルタイムで確認できるサービスです。お腹の調子が悪い時や急いでいる時に、事前に空いている個室があるか分かるのは、現代人にとって非常に心強い味方と言えるでしょう。
編集部が考える「トイレから始まる日本のファンづくり」
トイレの清潔さや快適さは、その場所や国全体の印象を大きく左右する重要な要素です。TOTOが外国人旅行者を対象に実施したアンケートでも、なんと7割以上の方が「公衆トイレが綺麗だと、その地域のイメージが格段に良くなる」と回答しています。どれだけ素晴らしい観光地や施設であっても、トイレが古いままだと全体の評価を一気に下げてしまう原因になりかねません。
現在、成田空港でも約50億円を投じておよそ150カ所のトイレを大改修しており、全国の洋式化も急速に進んでいます。オリンピックという世界的な大イベントをきっかけに、誰もが排除されない優しい社会づくりが進むのは素晴らしいことです。日本が世界に誇る「おもてなしの心」が詰まった最新トイレは、今後も多くの人々に感動を与え続けるでしょう。
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