投資信託を一度購入すると、そのまま見守るだけで安心していませんか。長期にわたる資産形成においては、景気の波や世界情勢の変化によって保有する資産の価値が日々刻々と変動します。頻繁に売買を繰り返す必要はありませんが、全く確認せずに放置してしまうと、気づかないうちに運用の効率が低下するリスクをはらんでいるのです。大切な資金を健やかに育てるためには、健康診断のように定期的なチェックを行うことが極めて重要になります。
特に意識したいのが、ファンドの成績を左右する「純資産総額」の推移でしょう。これはファンドが組み入れている資産の時価総額のことで、投資信託の規模そのものを表す指標です。もしもこの金額が減少傾向にあるならば、運用の悪化により多くの投資家が解約に動いているサインかもしれません。資金が流出すると運用会社は資産を売却せざるを得ず、効率がさらに悪化して途中で運用を打ち切る「繰り上げ償還」という最悪のシナリオも現実味を帯びてきます。
インターネット上のSNSでも、自分が保有する銘柄の純資産額を定期的に公開し、順調に育っているかを確認し合うユーザーの姿が目立ちます。「じわじわと資金が減っているのを見落としていた」「人気すぎて逆に小型株の運用に無理が出ているのでは」といった、鋭い視点での口コミが飛び交うことも珍しくありません。人気が高すぎる場合も、市場での取引量が少ない銘柄を扱うファンドでは運用に支障をきたすケースがあるため注意が必要です。
さらに、複数の投資信託を組み合わせている方は、資産全体のバランスに目を向けるべきでしょう。例えば、株価が上昇して債券の価格が下がると、全体における株式の割合が自然と高くなってしまいます。こうして偏ってしまった資産の比率を元の理想的な状態へと修復する作業を、専門用語で「リバランス」と呼びます。値上がりした資産を一部売却し、目減りした資産を買い増すことで、リスクを抑えながら安定した成果を目指すことができるのです。
手間のいらない賢い選択肢!バランス型ファンドの魅力
リバランスの重要性は理解できても、自分で計算して売買するのは少し面倒だと感じる方も多いのではないでしょうか。こうした作業を自動で行いたい方におすすめなのが、あらかじめ複数の資産に分散して投資を行う「バランス型」と呼ばれる投資信託です。2020年1月25日の時点においても、国内外の株式や債券に半分ずつ投資を行い、自動で比率を維持してくれる商品などが多くの投資家から注目を集めています。
また、投資家の年齢や目標とする年に合わせて、自動でリスクをコントロールしてくれる「ターゲットイヤー型」という便利な仕組みも存在します。これは若いうちには値上がりが期待できる株式を多めに運用し、目標の年に近づくにつれて安定性の高い国内債券などの割合を増やしていく優れたシステムです。私は、こうした便利なツールを賢く使いこなすことこそが、現代の個人投資家がストレスなく資産運用を継続するための鍵になると確信しています。
少しのズレに神経質になって毎月のようにリバランスを試みると、今度は購入や売却のたびに発生する手数料や手間がかさんでしまい本末転倒です。専門家からも推奨されているように、基本的には年に1回ほどのペースでゆったりと見直す姿勢が最も心地よく続けられるでしょう。自動で管理してくれるバランス型を取り入れるにせよ、自分で点検するにせよ、大切なのは自分の資産に無関心にならないことです。
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