【安川電機】中国市場を制する「止まらない工場」の全貌!小笠原社長が語るIoT時代の勝機と製造業の未来

製造業の未来を占う指標として、世界中から常に熱い視線が注がれている企業があります。それが、産業用ロボットやサーボモーターの世界シェアでトップを走る安川電機です。同社は今、ロボットとモーターをたった1台の装置で同時に制御する画期的なシステムを開発し、競争力をさらに高めています。2020年1月27日、この「止まらない工場」を掲げて突き進む同社のトップ、小笠原浩社長に今後の成長戦略をじっくりと伺いました。

現在の世界情勢を見渡すと、米中貿易摩擦や日韓関係の冷え込みなど、先行きへの不安は尽きません。しかし小笠原社長は、市場はすでにこの緊迫した状況に慣れつつあると分析します。停滞が続けば他社に出し抜かれるという危機感から、企業の投資意欲は徐々に回復へ向かう見通しです。実際に中国では5G基地局の設置に伴う需要が生まれており、2020年の半ばから後半にかけて、本格的な設備投資の波が押し寄せることが期待されています。

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単なる部品売りからの脱却!顧客を勝たせる驚異の「全体最適」とは

安川電機が特に注力しているのが、工場の生産性を劇的に向上させる新型コントローラーの開発です。コントローラーとは、機械に動きの指示を出す「頭脳」にあたる制御装置を指します。従来の工場では、それぞれのロボットが個別に動く「個別最適」が主流でした。しかしこれでは、機械の間に無駄な待ち時間が発生してしまいます。そこで同社は、すべての稼働データをリアルタイムで把握し、ライン全体を完全に同調させて動かす「全体最適」を実現しました。

この高度なシステムを構築できる強みは、ロボットとモーターの両方を自社で製造し、それを外部へ販売している唯一無二のメーカーだからです。この革新的なアプローチに対し、SNS上でも「これこそが真のIoT化だ」「競合他社が容易に真似できない強力なビジネスモデル」と、技術者や投資家から称賛の声が相次いでいます。目先の部品売りにとどまらず、顧客の利益を最大化することで自社への信頼を不動のものにする戦略は見事というほかありません。

中国市場での圧倒的優位性と、人間とロボットが共存する未来の工場

特に中国市場において、安川電機の存在感は抜群です。現地メーカーの機械に合わせて同社が緻密な制御を行うため、顧客企業は劇的に生産性を向上させています。一度この快適さを知った顧客は、他社製品へ乗り換えるリスクを冒さなくなります。技術流出を懸念する声もありますが、小笠原社長は巨大市場を恐れずに攻める姿勢を崩しません。また、次世代を見据えて中国企業と電気自動車(EV)事業での提携も進め、最先端の知見をどん欲に吸収しています。

さらに興味深いのは、小笠原社長が掲げる「脱・全自動化」の持論です。工場をすべてロボットにすると、需要が減った際に固定費が経営を圧迫します。これからの時代は、人手不足の日本で自動化を進め、中国などの市場では人と協働ロボットが柔軟に支え合う「フレキシブル生産」が最適解になると提唱しています。2021年春には社内の縦割りを打破する新しい研究開発拠点も建設予定で、100年以上の歴史に甘んじることなく、常に変化を求めています。

編集部総括:売り切りモデルを超えた先にある、真のパートナーシップ

激動の時代において、安川電機が示している姿勢には重要なヒントが隠されています。多くの企業が製品の「売り切り」で利益を追う中、同社は「顧客を勝たせることで自社も勝つ」という、持続可能なパートナーシップを確立しています。これは、技術力への絶対的な自信があるからこそ成し遂げられる技です。食品や農業といった3K(きつい・汚い・危険)分野の解放にもロボットを応用していくという同社の挑戦は、私たちの社会をより豊かに変えてくれるでしょう。

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