ビジネスの現場において、商談を成功に導く「営業トーク」のスキルは売上を左右する極めて重要な要素です。人工知能(AI)を用いた言語解析の最先端を走るベンチャー企業、コグニティ株式会社(東京都品川区)が新たな一歩を踏み出しました。同社は2020年1月27日までに、ベンチャーキャピタルなどを引受先とした第三者割当増資を敢行し、総額1億9000万円の資金調達を完了したと発表したのです。今回の資金調達によって、同社の累計調達額は5億円という大台に達しました。
コグニティ社は2013年の設立以来、営業マンの会話データをAIで分析し、どこを修正すれば成約率が上がるのかを具体的にフィードバックする画期的なサービスを展開しています。これまで大企業を中心に、すでに120社以上の導入実績を誇ってきました。SNS上でも「自分のトークの癖が可視化されるのは画期的だ」「新人教育のコストが大幅に削減できそう」といった驚きと期待の声が多数寄せられており、営業活動のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する存在として注目を集めています。
従来のシステムは、顧客企業ごとに合わせたオーダーメイド型の個別サービスだったため、導入コストの面から大企業への普及がメインでした。しかし今回の資金調達により、コグニティ社はあらかじめ蓄積された「業界の平均値」と自社のトークを即座に比較できる新サービスの開発に乗り出します。これにより初期開発費用が抑えられるため、これまで予算面で導入を躊躇していた中小企業にとっても、手軽に最先端AIの恩恵を受けられる仕組みが整うでしょう。
特筆すべきは、調達資金の多くが中小企業向けの事業拡大を牽引する「人材採用」に投入される点です。優れた技術があっても、それを届けるリーダーがいなければ市場は広がりません。営業トークというブラックボックスになりがちな領域をAIで科学するこの試みは、日本の9割以上を占める中小企業の生産性を底上げする起爆剤になると私は確信しています。属人的な指導から脱却し、データに基づいた効率的なスキルアップが日常になる未来は、すぐそこまで来ています。
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