労働力不足が叫ばれる現代において、身体への負担を軽減する「着るロボット」が大きな注目を集めています。この革新的な製品を開発するベンチャー企業「ATOUN(アトウン)」では、社内の絆を深めるためのユニークな取り組みが行われています。同社が2カ月に1度開催している「あうんミーティング」は、出張者を除くほぼすべてのメンバーが集う特別な時間です。2020年1月27日、奈良市にある本社では、全社員がリラックスした表情で社長の言葉に耳を傾ける姿が見られました。
パナソニックの社内ベンチャーとして2003年に誕生した同社は、2017年4月に現在の社名へ変更されました。ここには、ロボットが人間の意図を察して「あうんの呼吸」でサポートし、年齢や性別の壁を取り払う「パワーバリアレス社会」を実現したいという熱い願いが込められています。この理念を社内に浸透させる「インナーブランディング」、つまり社員に向けた企業価値の啓発活動として、約1年後からこの定例集会がスタートしました。
現在の社員数は30人弱で、その3分の2が様々な業界からの中途採用メンバーで構成されています。60代のベテランから20代の若手女性技術者までが集まる多様な組織だからこそ、目指すべき未来のビジョンを共有することが欠かせません。ミーティングは、子育て中のスタッフも無理なく参加できるように、終業前の夕方に約30分間という短い時間で実施されています。社長が最近の出来事をカジュアルに語るスタイルが基本で、笑い声が絶えない空間が魅力的です。
これまでに、社長が登壇したシンポジウムの裏話や、展示会で歩行支援ロボットを体験した高齢者とのハラハラするような交流エピソードなどが披露されてきました。参加したデザイナーは、普段の業務連絡とは異なり、トップが真に考えている生の声を全員で同時に共有できるこの場を非常に貴重だと感じています。SNS上でも「経営陣の素顔が見える風通しの良い環境が羨ましい」「心理的安全性が高そうな職場」といった好意的な反響が寄せられています。
現在、工場や介護の現場を中心に、人の動きを補助するアシストスーツの市場は急速に拡大しています。ただ、製品の普及や効果の証明にはまだ多くのハードルが残されているのが現状です。市場をゼロから切り拓くため、同社は誰もが日常的にロボットを身につけるという新しい常識の定着に挑んでいます。組織の強固な一体感を武器に、深刻な高齢化社会を支える製品を生み出せるか、同社の果敢な挑戦はこれからも続いていくでしょう。
個人の見解として、急速に変革する市場で勝つためには、全社員が同じ方向を向く強力なチーム力が必要不可欠だと感じます。ATOUNのように、トップの想いをユーモアを交えて直接伝える試みは、メンバーのモチベーションを高める優れた戦略です。このような温かいコミュニケーションから生まれる革新的なロボットが、私たちの未来の働き方を劇的に変えてくれることを期待せずにはいられません。
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