静岡銀行が仕掛ける採用イノベーション!高卒採用27年ぶり再開とアスリート正社員化が地域金融を救う?

静岡県を舞台に、地銀の雄がこれまでにない大胆な一手へと打って出ました。静岡銀行が従来の大学生中心だった新卒採用制度をガラリと変え、多様なバックグラウンドを持つ人材の確保へ動き出したのです。長引く低金利によって、地域金融機関は従来のビジネスモデルからの変革を強く迫られています。そこで同行が目をつけたのが、地域への愛着やロイヤルティー、つまり組織への忠誠心や帰属意識が非常に高い人材の育成でした。時代の変化に合わせたこの決断は、今後の地方銀行の在り方を占う試金石となるでしょう。

今回の改革で特に世間を驚かせているのが、実に27年ぶりとなる高校卒業予定者の採用再開です。同行が高校生の採用活動をストップした1993年当時は、大学進学率の上昇や、事務の集中化・ITシステム化が進んだ時代でした。そのため、当時は「高卒行員が担う業務ニーズが減少した」という背景があったのです。しかし、今回はただ採用を再開するだけではありません。なんと、大学の夜間コースや通信制大学の受験を条件に、受験料や合格後の授業料を銀行側が全額負担するという驚きの条件が提示されました。

高卒者を雇用する金融機関自体は珍しくありませんが、学費をすべて肩代わりするケースは極めて異例といえます。SNSでも「働きながら学費ゼロで大卒資格が取れるなんて最高すぎる」「地元に残りたい若者にとって大きなチャンス」といった好意的な反響が相次いでいました。この制度は、経済的な理由で進学を諦めかけていた地域の一優秀な若者たちにとって、まさに救世主のような存在になるはずです。地方の人口流出に歯止めをかける、素晴らしい地域密着型の取り組みであると私は確信しています。

さらに注目したいのが、地域のスポーツや文化活動に情熱を注ぐアマチュア人材の正社員採用です。2020年04月からは、まず静岡銀行が協賛する女子ラグビーの「アザレア・スポーツクラブ」や、女子バレーボールの「ブレス浜松」に所属する選手たちを対象に雇用が始まります。試合や公演がある期間は所属団体の活動を最優先し、それ以外の平時は銀行業務に携わるという、これまでにない革新的な働き方が実現するのです。今後はこの対象を音楽団体へと広げ、演奏家などの採用も予定されています。

現役のアスリートやアーティストである期間は、支店での後方支援や、本部の企画・管理・広報といった業務を担当します。そして第一線を引退した後は、他の一般行員と同じように本格的な銀行実務を担うキャリアパスが用意されているのです。このセカンドキャリアまで保障する仕組みは、競技や芸術に打ち込む人々にとって理想的な環境ではないでしょうか。地元のスター選手が窓口や広報にいるだけで、地域住民との距離は一気に縮まります。これこそが、数字だけでは測れない真の地域密着のパワーだと感じます。

若い世代への手厚いサポートはこれだけに留まりません。2020年04月からは、若手行員を対象とした画期的な「大学奨学金返済支援制度」も新設されます。実は、新入行員の約3割が奨学金を借りて入行しているのが現状です。彼らの経済的・心理的な負担を減らすため、静岡銀行共済組合が実質的な借り換えを請け負い、なんと「金利ゼロ」で融資を行います。入行から最長5年間は返済を据え置くことが可能で、その後20年かけてじっくりと返済していく計画です。

さらに驚くべきことに、入行からの10年間で最大50万円までの支援金が支給されます。SNS上では「ここまで社員に寄り添ってくれる企業は少ない」「就活生からの人気が急上昇しそう」といった羨望の声が上がっていました。借金という重荷を抱えたまま社会人生活をスタートさせる若者にとって、この優しさは業務への高いモチベーションへと直結するに違いありません。人材を「コスト」ではなく「投資対象」として捉える同行の姿勢には、大いに共感させられます。

2019年春の時点では、静岡銀行は大卒者を169人採用していました。これに加えて、近年では社会人経験のあるプロフェッショナルな人材も中途採用し、組織の専門性を高めています。また、2019年夏からは正社員の服装を自由化するなど、多様な個性を認め合う職場環境の整備を着実に進めてきました。従来の「お堅い銀行」というイメージを自ら壊し、誰もが輝ける新しいステージへと進化を続ける静岡銀行の挑戦から、今後も目が離せません。

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