副業・兼業のリアル!「4足のわらじ」を履く26歳若者と北陸の先進的な挑戦から見える未来の働き方

働き方改革が叫ばれる中、従来の「1つの会社に尽くす」という常識が大きく覆ろうとしています。特に今、北陸エリアを舞台に、驚くべき多様な働き方を実践する若者や、地域活性化を目指す自治体の熱い挑戦が大きな注目を集めているのです。

石川県金沢市には、なんと「4足のわらじ」を履いて日々を駆け抜ける、26歳の吉川佳佑さんというパワフルな若者が存在します。吉川さんは、高校の非常勤講師として教壇に立つ傍ら、観光業であるゲストハウスの運営をこなし、さらにフリーランス、IT企業での業務まで兼業しているのです。

以前はフルタイムの高校教師だった吉川さんですが、学校の外にある広い世界を自ら体験することで、生徒たちに伝えられる選択肢を増やしたいという熱い思いが募ったといいます。そして2019年4月から、現在の多角的なライフスタイルへと一歩を踏み出しました。

吉川さんの午前中は私立高校での英語授業から始まります。午後にはゲストハウスの運営に携わり、夜は持ち物を最小限にするミニマリストや、特定の住所に縛られない「アドレスホッパー」として講演活動などを行うという、実にエネルギッシュなスケジュールです。

アドレスホッパーとは、固定の住居を持たずにホテルやシェアハウスを移動しながら暮らす人々のことで、現代の新しいライフスタイルとしてSNSでも「自由で憧れる」「究極の効率化」と大変な話題を呼んでいます。吉川さんはその最先端を体現していると言えるでしょう。

さらに吉川さんは、東京のIT企業「ガイアックス」において、パソコン一つで場所を選ばずに活動できる「オンライン就活」の企画運営にも参画しています。多様な背景を持つ人々と出会ったことで、生徒の進路相談にも多角的な視点で乗れるようになったと笑顔を見せます。

驚くべきは、それぞれの仕事で培ったスキルが、見事な相乗効果を生んでいる点です。教師としての経験は事業を計画的に進める力になり、ゲストハウス運営で得たタスク管理やチームワークの精神は、他の業務でも大いに生きていると吉川さんは語ります。

このような複数の仕事を掛け持つ働き方に対して、ネット上では「自分も挑戦してみたい」「1つの会社に依存しないリスクヘッジとして理想的」といった共感の声が多数寄せられており、若者世代を中心に副業への関心は確実に高まっています。

実際に2018年に実施された調査データによると、全国の正社員のうち10.9%がすでに副業を行っており、今後副業を希望する人は41.0%にも上ることが判明しました。多くの人々が、本業以外のフィールドでの自己実現やスキルアップを望んでいる証拠です。

しかしながら、現実にはいまだに50.0%の企業が副業を全面的に禁止しているという厳しい側面もあります。この古い就業規則の壁をどのように打破していくかが、今後の日本社会における働き方改革の大きな鍵を握ることは間違いありません。

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北陸新幹線がもたらす大都市圏と地方の新たな結びつき

企業の副業解禁が進まぬ一方で、北陸の地では新たな可能性の芽が確実に育ち始めています。プロ人材を活用して企業の経営改革を後押しする「サーキュレーション」の大平瑞木支社長は、北陸新幹線による日帰り圏内化が、首都圏の優秀な人材を呼び込む武器になると指摘します。

同社は2019年5月に金沢市へ北信越支社を開設したばかりです。地方企業にとって、スマートフォンを駆使した最新のマーケティングスキルを持つプロ人材をフルタイムで雇用することは、高額な人件費の面から見ても容易なことではありません。

そこで注目されているのが、月に数回の対面打ち合わせやテレビ会議を活用した、スポット的な外部ノウハウの導入です。この手法であれば、企業側はコストを抑えつつ最先端の知見を得られ、都市部の人材にとっても地方貢献という貴重な経験が得られます。

実例として、東京都内の外資系製薬会社に勤務する斉田雄介さんは、2019年1月から9月にかけて、月1回のペースで北陸新幹線を利用して富山県南砺市へと足を運んでいました。本業の傍ら、野球用バットを製造する「ロンウッド」の収益向上策を練るためです。

斉田さんは副業マッチングサイト「スキルシフト」を通じてこのプロジェクトに応募しました。中小企業が本格的な経営コンサルタントを雇うとなれば、月に100万円もの高額な費用を覚悟しなければなりませんが、斉田さんへの報酬は月5万円という合理的な設定です。

大企業では自分の担当業務以外の領域に手を広げることが難しいものですが、斉田さんは副業を通じて会社全体を俯瞰する力を鍛え直したかったと振り返ります。業務外の早朝や夜間を使った資料作りも、楽しみながら主体的に取り組めたそうです。

福井県が全国に先駆けて挑む「官民融合」の先進的制度

副業や兼業を推進する動きは、企業の枠を超えて自治体へも急速に波及しています。その筆頭として、全国から熱い視線を集めているのが福井県です。福井県は外部人材の受け入れと、自庁職員の兼業促進の双方に対して非常に積極的な姿勢を打ち出しています。

福井県は2019年11月、首都圏で活躍する民間人材4人を「未来戦略アドバイザー」として公式に委託しました。メンバーは企業広報やNPO職員、フリージャーナリストなど多様な顔ぶれで、都道府県が兼業に特化した人材を起用するのは全国初の画期的な試みです。

転職サイト「ビズリーチ」と連携して募集を行ったところ、応募総数はなんと421人に達し、地方創生に関わりたい都市部人材の熱量の高さが証明されました。彼らは2020年3月まで月2回ほど福井を訪れ、県の長期ビジョンの広報戦略を構築していきます。

さらに福井県は、2019年10月に「福井県地域ビジネス兼業促進制度」を創設し、在職1年以上の一般職約3千人を対象に職員の副業を後押しし始めました。これは同年の知事選で杉本達治知事が公約に掲げていた、まさに肝煎りの新政策です。

全国の地方公務員の兼業許可は年間約4万件ありますが、その大半は実家の農業の手伝いなどに留まっていました。福井県のように報酬や活動の条件を明確に制度化したのは長野県に次いで全国2例目であり、職員からも活動の幅が広がると大歓迎されました。

しかし、期待の中でスタートしたものの、2019年末時点での実際の認定者はゼロという厳しい現実も浮き彫りになりました。希望者は多いものの、現場の所属長との協議の中で条件が折り合わず、人事課への申請まで到達しないケースが多発しているためです。

私はこの福井県の取り組みを非常に高く評価するとともに、この「認定者ゼロ」という結果こそが、日本全体が抱える硬直化した組織文化の縮図であると考えます。制度を作っても、現場の意識改革が伴わなければ、本当の多様性は実現できません。

公務員や大企業の社員が持つ高度なスキルを、人手不足に悩む地方や地域ビジネスへと還元していく流れは、今後の日本を救う絶対的な正攻法です。だからこそ、管理職側のマインドセットの変革と、柔軟な運用のルール作りが今すぐ求められています。

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