働き方改革が叫ばれる中、いま「健康経営」という言葉が注目を集めています。2019年11月29日、神奈川県横浜市は地元企業と手を取り合い、従業員の心身をデジタル技術で支える画期的な実証実験を開始しました。この取り組みは、社員の健康を単なる自己管理に任せるのではなく、企業が戦略的に投資することで組織全体の活力を高めることを目的としています。
今回のプロジェクトを牽引するのは、相鉄ホールディングス傘下の相鉄ビルマネジメントです。SNS上では「会社が体調を気遣ってくれるのは心強い」「ウェアラブルで管理されるのは少し緊張するけれど面白そう」といった、未来の働き方に期待する声が多く寄せられています。実験は2020年2月まで行われ、地元中小企業の従業員ら160人が参加する大規模な検証となる予定です。
ウェアラブルデバイスが導く「パーソナル助言」の正体
実験の肝となるのは、スタートアップ企業であるメドビジランスが開発した腕時計型の「ウェアラブルデバイス」です。これは腕に装着するだけで、歩数や消費カロリーといった運動データから、深い眠りの時間などの睡眠データまでを自動で計測できる魔法の端末といえます。こうした精密な数値にアンケート結果を組み合わせることで、一人ひとりの生活リズムが可視化される仕組みです。
得られたデータは、名だたる企業が提供するノウハウと掛け合わされます。フィリップス・ジャパンによる心の健康を保つ「メンタルヘルス対策」や、富士ゼロックスの知見を活かした「ストレス対策」などを通じ、食事や睡眠、運動に関する具体的なアドバイスが参加者へ届けられます。単に「頑張りましょう」と励ますのではなく、科学的な根拠に基づいた生活改善のヒントを提案する点が、この実験の大きな強みでしょう。
この事業は経済産業省の「健康寿命延伸産業創出推進事業」にも採択されており、官民が一体となった強力な布陣で進められています。運営を担うのは、相鉄ビルマネジメントなどで結成された「横浜ヘルスケア・コンソーシアム」という組織です。ここでいう「コンソーシアム」とは、共通の目的のために複数の団体が協力する共同体のことで、地域の力を結集して社会課題を解決しようとする熱意が感じられます。
私個人の見解としては、中小企業こそこうしたテクノロジーの恩恵を受けるべきだと考えます。人手が限られる現場において、従業員が健康を崩すことは経営に直結する大きなリスクだからです。今回のようにストレスまで含めた多角的なデータを収集し、専門的な知見でフォローする体制が整えば、横浜の街から「日本一元気なビジネスパーソン」が次々と誕生するかもしれません。
コメント