日本の不動産市場がいま、海外の巨大な資本からこれまでにないほどの熱い注目を浴びています。世界を代表する投資ファンドが日本国内のビルやマンションなどを次々と取得しており、ビジネス界やSNSでも「日本の街並みが外資に買い支えられている」「安定した投資先として評価されているのは誇らしい」といった驚きや期待の声が数多く上がっているのです。
そもそも海外の投資家による日本国内の不動産取引は、1990年代後半のバブル崩壊期に、金融機関が抱えた「不良債権(回収が困難になった貸付金)」の処理に伴って本格化しました。その後、2007年には海外勢による年間投資額が約2兆4000億円という過去最高を記録します。翌年の金融危機で市場は一度冷え込みましたが、2013年ごろからの異次元緩和をきっかけに、再び取引が活発化しているのです。
現在、この市場を牽引している主役は、多くの人々から集めた資金をプロが運用する「投資ファンド」と呼ばれる組織です。世界的な低金利が続くなか、従来の国債や株式だけでは十分な利益を出すことが難しくなりました。そのため、より高いリターンが期待できる不動産ファンドへ、世界中の年金基金や保険会社がお金を預ける動きが加速しています。日本の公的年金を運用するGPIFも、同様の投資を開始しました。
こうしたなか、世界有数の規模を誇る米国のブラックストーン・グループは、不動産関連だけで約17兆円もの資産を運用しており、日本でも存在感を放っています。さらに2017年にはノルウェーの政府系ファンドが日本での不動産取得に乗り出し、2019年には米国の名門ファンドであるKKRも専門チームを立ち上げました。魅力的な利回りを生み出す日本の不動産は、世界中のマネーを引き寄せる主戦場となっているのです。
私個人の視点としては、外資の参入は日本の都市開発や市場の流動化を促す絶好のチャンスだと捉えています。一方で、海外の景気動向によって資金が一気に流出するリスクもはらんでいるため、単に買い手が付いたと喜ぶだけでなく、日本の不動産そのものの価値を高め続ける戦略が必要です。世界に選ばれる国であり続けるために、私たちはこの巨大な資金の波を賢く活用していく視点を持つべきでしょう。
コメント