九州沖縄の景況感は横ばい?人件費高騰や台風被害に米中貿易摩擦が落とす影とSNSの本音

九州や沖縄の経済を支える企業の間で、先行きへの警戒感が根強く残っています。日本経済新聞社が2019年12月に実施したアンケート調査によると、半年前と比べて業績が「悪化した」と答えた企業の割合は21.7%に達しました。これは「改善した」と回答した11.3%を大きく上回る数字です。人件費の上昇や相次ぐ台風被害が、地域経済に深刻な影を落としている実態が浮き彫りになりました。

この調査結果に対してSNS上では、「確かに最近はお店の閉店が増えた気がする」「中小企業にとって人件費の負担は本当に死活問題」といった、リアルな実感を伴う声が多数寄せられています。さらに、「インバウンド(訪日外国人)の減少が目に見えて分かる」という悲鳴に近い投稿もあり、ネット空間でも企業心理の冷え込みを裏付けるようなコメントが目立っている状況です。

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気候変動とコスト増加が企業の体力を奪う現状

業況が厳しくなったと答えた企業にその理由を尋ねたところ、「台風や冷夏などの気候変動」「人件費といった固定費(売上の増減に関わらず毎月必ず発生する一定の費用)の増加」「国内経済の伸び悩み」がそれぞれ39.1%で同率トップとなりました。2019年9月に大型台風が九州北部を直撃したことや、人手不足に伴う人件費の引き上げが経営を圧迫しているようです。

固定費の増加は、特に体力の乏しい地域密着型企業にとって深刻な問題と言えるでしょう。最低賃金の引き上げや採用コストの上昇は働く側には嬉しい半面、企業にとっては利益を削る要因になります。これに加えて消費増税による個人消費の冷え込みを訴える声も34.8%に上っており、内需の柱である市民の購買意欲が十分に高まっていないことが分かります。

世界経済の荒波と日韓関係の悪化による二重苦

さらに追い打ちをかけるのが、米中貿易摩擦(アメリカと中国が互いに高い関税を掛け合う関税合戦)や中国経済の失速です。悪化の理由にこの摩擦を挙げた製造業は4割を超えました。安川電機のように、中国市場でのロボット需要の低迷で減収減益に陥る大手も現れています。地銀からも「取引先の中国向け販売が減っている」との声が出ており、影響は非製造業へも波及しています。

また、日韓関係の悪化に伴う韓国人観光客の激減も大打撃です。影響があると答えた企業は全体で18.9%、非製造業では21.5%に達しました。観光客の減少による国内売上の減少を訴える声は55.0%と過半数を占めています。売上が「3割以上減った」という観光・小売業者も多く、アジアの玄関口として発展してきた九州にとっては極めて深刻な事態です。

打開策を模索する企業のたくましさと今後の展望

ただ、企業側も手をこまねいているわけではありません。韓国人客の減少に対して、54.5%の企業が「中国や東南アジアなど、他のアジア圏からの観光客の取り込み」を掲げています。さらに45.5%が「国内客の誘致」へシフトするなど、新たな活路を見出そうと奮闘しています。2019年10月に開催されたラグビーワールドカップも、一部の地域で大きな下支えとなりました。

編集部の視点として、今回の調査は九州・沖縄経済が持つ「外部環境への脆さ」と「変化への適応力」を同時に示していると感じます。世界的な政情や観光客の動向に左右されやすい構造だからこそ、特定の国に依存しないリスク分散が今まさに求められています。ピンチをチャンスに変える地場企業の底力と、今後の次の一手に大いに注目していきたいところです。

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