東南アジアでJFEエンジニアリングの水処理事業が猛烈な勢いで加速しています。同社は2020年1月にベトナムのハノイ近郊で、最大12万人分の下水をきれいにする巨大インフラ施設を完成させました。スリランカやフィリピンでも現在4カ所の処理場を建設中であり、2020年度の地域受注額を前年度比5割増の150億円に引き上げる計画です。
SNSでは「日本の優れた環境技術がアジアの深刻な水質汚染を救うのは誇らしい」といった称賛の声が相次いでいます。今回ベトナムの工業団地に月島機械と共同で建設した施設は、1日あたり3万6000立方メートルの下水を処理する能力を持ちます。現地企業が試運転を担うことで、商用運転までのコストを抑える賢い戦略も取り入れられました。
さらにハノイでは、2022年の完成を目指して「エンサ下水処理場」の建設も進んでいます。こちらは1日あたり27万立方メートル、約90万人分に相当する同国最大級の施設になる予定です。経済成長の一方で下水普及率の低さに悩むベトナムにおいて、水質汚濁を根本から解決する同社の技術は、まさに救世主と言えるでしょう。
この快進撃の裏には、緻密な国際戦略が存在します。JFEエンジニアリングは2019年まで2年連続で、法務や営業に強い欧州の人材をスカウトしました。東南アジアの顧客が欧米系のコンサルタントを起用することが多いため、彼らの商習慣に精通したプロを配置して交渉力を高める狙いです。この柔軟な組織作りが、確実な成果に繋がっています。
勢いはベトナムに留まらず、フィリピンでは2021年に約600万人分の生活用水を賄う国内最大の浄水場が完成予定です。約100億円という大型案件を勝ち取れた背景には、現地での30カ所以上の実績があります。水ビジネスで世界に君臨するフランスのヴェオリアなどの海外巨頭に対しても、優位に戦いを進める姿は非常に頼もしい限りです。
東南アジアでは都市化が進み、道路や水道の整備を経て、現在は下水処理の需要が爆発する黄金期を迎えています。日立製作所や東芝、水ingなどの日系ライバル勢も次々と現地へ参入しており、今後は最大人口を抱えるインドネシアを舞台にした受注合戦が一段と激化する見込みです。
日本のインフラ技術が海外の環境改善に直結する現状は、一人の日本人として非常に胸が熱くなります。単にモノを売るだけでなく、欧州人材の登用といった仕組み作りで国際競争に勝つ姿勢は、多くの日本企業の模範となるはずです。今後は水処理だけでなく、現地の運営保守ビジネスでも主導権を握り続けてほしいと願っています。
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