2019年12月02日、名古屋市内を代表する主要百貨店4社が、同年11月の売上速報を発表しました。その結果は前年同月比で4%減となる345億円で、全ての店舗でマイナス成長を記録する厳しい内容となっています。2019年10月に実施された消費税増税の余波がいまだに影を落としていることが浮き彫りになりました。
今回の減収の大きな要因として、高額商品の購入を控える「反動減」が挙げられます。これは増税前に買いだめをした反動で、その後の消費が落ち込む現象です。名古屋三越の担当者も、9月に発生した駆け込み需要の影響が11月まで尾を引いていると分析しており、人々の財布の紐が依然として固い様子が伺えます。
SNS上でも「増税してからデパートへ行く回数が減った」「今は必要なものしか買わない」といった、消費者のシビアな声が目立っています。さらに追い打ちをかけたのが、例年にない「暖冬」です。11月は気温の高い日が続いたため、百貨店の主力商品であるコートやニットなどの防寒衣料が、季節商品として本来の力を発揮できませんでした。
食品部門の健闘と高額品の苦戦
店舗別で見ると、ジェイアール名古屋タカシマヤは売上高2%減と、比較的踏みとどまった印象です。特に注目すべきは、東北地方の物産展などの催事が好調だった食品部門で、こちらは4%のプラスを記録しました。食品は消費税が8%のまま据え置かれる「軽減税率」の対象であることも、購入を後押しする一因となったのでしょう。
一方で、最も苦戦を強いられたのが松坂屋名古屋店です。売上高は7%減となり、特に美術品や宝飾品といった贅沢品は約23%も減少しています。家具を含む住文化用品も2割近いマイナスとなっており、生活に直結しない高額な買い物に対して、消費者が極めて慎重な姿勢を崩していないことがデータからも読み取れます。
名古屋三越栄店では、婦人用のセーターや紳士向けのジャケットが2桁のマイナスを記録しました。こうした衣料品の不振は、ファッションに敏感な名古屋の街に活気が足りないことを示唆しており、編集部としても寂しさを感じずにはいられません。百貨店は単に物を売る場所ではなく、季節の訪れを感じる文化の拠点であってほしいものです。
いよいよ12月の年末商戦という「かき入れ時」に突入しますが、現場からは不安の声も漏れています。増税直後の最も重要な商戦期をどう乗り切るか、各社の戦略が問われるでしょう。私は、ネット通販にはない「体験型の魅力」をどれだけ打ち出せるかが、今後の百貨店が再び輝きを取り戻すための鍵になると考えています。
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