ネット通販の拡大に伴い、梱包資材の需要が右肩上がりで伸びています。こうした中、段ボールの通信販売事業で急激な成長を遂げているのが、石川県七尾市に本拠を置くダンボール・ワンです。注文の急増に伴い自社工場だけでは製造が追いつかなくなった同社は、2018年から他社への委託生産へと舵を切りました。この大胆な戦略転換が、同社の進撃をさらに加速させているのです。
SNS上では「段ボールをネットで手軽に発注できるのは本当に助かる」「発送が早くて梱包のクオリティも高い」と、多くのユーザーから絶賛の声が寄せられています。利便性の高さが口コミで広がり、ビジネスの現場だけでなく個人利用の間でもファンを増やしている状況です。
IoT技術の導入で工場の稼働状況を完全に「見える化」する
同社はさらなる効率化を目指し、2022年中に提携先の工場における稼働状況をリアルタイムで確認できる画期的なシステムを開発する計画を、2020年1月30日に明らかにしました。ここで鍵となるのが、あらゆるモノをインターネットでつなぐ「IoT」という専門技術です。
IoTとは「Internet of Things」の略称で、これまでネットに接続されていなかった工場機械などにセンサーを取り付け、通信機能を持たせる仕組みを指します。この技術を活用すれば、提携先の設備がいつ、どれくらい動いているかという稼働時間や稼働率を、自社のパソコン画面上で一目で把握できるようになるのです。
このシステムが稼働すれば、生産に余力がある閑散期の工場を見極めて、効率的な発注を出すことが可能になります。工場側にとっては空き時間を有効活用して利益を出せるメリットがあり、発注側と受注側の双方に恩恵をもたらす素晴らしい試みだと私は感じます。
20億円の大規模投資がもたらす未来と今後の展望
ダンボール・ワンは2022年9月期までに総額20億円という大規模な資金を投入する方針です。その資金の大半は、先述したシステム構築や優秀なIT技術者の確保に充てられ、残りは知名度をさらに高めるための広告宣伝に活用されます。テクノロジーと人材に予算を集中させる姿勢に、同社の本気度がうかがえるでしょう。
現在約100社ある提携工場を今年中に200社へ倍増させ、将来的には1000社にまで拡大する意向です。この生産体制の強化により、利用顧客数を現在の3倍にあたる30万人へ引き上げることを目指しています。中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を牽引する素晴らしいビジネスモデルであり、今後の展開から目が離せません。
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