日本の労働市場で人手不足が深刻化する中、企業の人材獲得に向けた熱い視線が数字となって表れました。全国求人情報協会が2020年1月31日に発表した調査によると、2018年度の求人情報提供サービスの市場規模が、前年度から11.7%も増加して9528億円に達したことが判明したのです。この調査が始まった2015年度から3年連続で右肩上がりの拡大を続けており、ついに大台の1兆円に迫る勢いを見せています。企業の採用意欲は衰えるところを知りません。
求人広告の掲載件数が伸び続けている背景には、あらゆる業界で深刻化している働き手不足が存在します。この調査は、求人サイトなどの自社媒体を持つ企業や、SNSを用いた情報サービスを展開する618社を対象に実施されました。そのうち回答のあった79社のデータやIR資料(投資家向けに開示される企業の財務情報)を基に売上高を算出しています。人手を確保するために広告費を投じる企業が増えており、市場の活況ぶりがデータからも浮き彫りになりました。
SNSでの反響に目を向けると、「どこも採用に必死なのが伝わってくる」といった納得の声が多く上がっています。さらに「求人広告を出しても応募が来ないから、掲載件数ばかりが増えているのではないか」という、採用難の現場のリアルな苦悩を反映した意見も少なくありません。単に市場が潤っているだけでなく、マッチングの難しさに直面する企業が多いことも、現在の求人市場における大きな特徴と言えるでしょう。
SNSを駆使した新しい採用スタイル!急成長するソーシャルリクルーティングとは
今回の発表で特に注目したいのが、ソーシャルリクルーティングと呼ばれる新しい形態のサービスです。これはFacebookやX(旧Twitter)、InstagramといったSNSを企業の採用活動に活用する手法を指します。従来の求人媒体とは別に推計されたこの市場規模は、2018年度に1221億円を記録しました。前年度比で15.7%増という驚異的な伸び率を達成しており、今後の採用トレンドを占う上で無視できない存在となっています。
従来の求人広告は一方的な情報発信になりがちでしたが、SNSを通じた採用では企業と求職者が双方向でコミュニケーションを取れます。これにより、オフィスの雰囲気や働くスタッフの生の声を自然に伝えられるのが大きなメリットです。ネット上でも「企業の公式アカウントの人柄が見えて応募しやすくなった」「カジュアルに繋がれるのが今の時代に合っている」と、求職者側からも非常に好意的な意見が寄せられています。
私はこの市場規模の拡大について、企業が単に広告費を増やすだけでなく、採用の手法自体をドラスティックに変化させている象徴だと考えています。もはや知名度や高い給与だけで人を集める時代は終わり、いかに自社のカルチャーを発信して共感を生むかが鍵です。今後は広告の量ではなく、SNS等を駆使した質の高い繋がりを築ける企業こそが、優秀な人材を獲得して生き残っていくのではないでしょうか。
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