【徹底解説】セルフメディケーション税制とは?対象品目の見分け方や医療費控除との違い、お得な活用術までプロが伝授!

病気になったらまずは病院へ行く、という行動が日本では一般的です。しかし、軽度な体調不良であれば市販薬を活用し、自発的に健康管理を行う「セルフメディケーション」の意識を持つことが今まさに求められています。こうした背景から、2017年1月に「セルフメディケーション税制」がスタートしました。この制度は、消費者が健康維持に努めることで、結果として国家の医療費削減にもつながる画期的な仕組みとして注目を集めています。

制度の開始から約3年が経過した2020年01月31日現在、認知度は70%を超えて十分に浸透したと言えます。それにもかかわらず、確定申告での利用件数は横ばいで、伸び悩んでいるのが現状です。SNS上でも「レシートの計算が面倒くさそう」「自分にメリットがあるのか分からない」といった、手続きの煩雑さや心理的なハードルの高さを指摘するリアルな声が多数上がっています。

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医療費控除との違いは?賢い使い分けのポイント

この税制を上手に活用するカギは、従来の「医療費控除」との効果的な使い分けにあります。医療費控除とは、病院での診療代や通院のための交通費、治療に必要な医薬品の購入費など、年間の支出が10万円を超えた場合に適用される制度です。一方で、セルフメディケーション税制は、医療用から市販用に転用された「スイッチOTC医薬品」の年間購入額が1万2000円を超えた場合に税金の控除を受けられます。

「スイッチOTC医薬品」とは、これまで医師の処方箋が必要だった医療用医薬品の成分を、ドラッグストアなどで一般の人が買えるように転用(スイッチ)した市販薬のことです。つまり、年間の医療関係の支出が10万円を超える場合は医療費控除を、10万円以下でスイッチOTC医薬品を多く購入した場合はセルフメディケーション税制を選ぶのが賢い選択と言えるでしょう。

日本一般用医薬品連合会のウェブサイトでは、所得や購入額を入力するだけで、どちらの制度がお得かを一目で比較できるシミュレーターが公開されています。まずは気軽に数値を入力して試してみるのがおすすめです。

どんな人がお得になる?対象品目の拡大に期待

実際にこの制度の恩恵を受けやすいのは、どのような家庭でしょうか。一般的な世帯の年間購入額はそれほど高くありませんが、スポーツに励むお子様がいて消炎鎮痛剤を頻繁に買い足す家庭や、家族に複数の花粉症患者がいる場合は、購入額が1万2000円を突破しやすいため非常に適しています。高所得者の場合、支払った金額の最大3割近くが手元に戻ってくるケースもあり、実質的に市販薬を3割引で購入できるような大きなメリットが生まれます。

ただ、現在の大きな課題は対象品目の狭さにあります。日本の市販薬全体のうち、この税制が適用されるのはわずか15%程度にとどまり、日常的に使うビタミン剤や目薬、うがい薬などは対象外です。レシートの中から対象の商品を一つずつ探して明細書を作る作業は、消費者にとって大きな負担となっています。

現在、関係機関からは「ドラッグストアで買えるすべての薬を対象にし、下限金額を撤廃する」という前向きな制度改正の提案もなされています。もしすべての薬が対象になれば、自分がいくら使ったのかがイメージしやすくなり、申請への意欲も一気に高まるはずです。利便性が向上し、誰もが気軽に恩恵を受けられる制度へと進化していくことを切に願います。

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