世界中で恐れられている感染症「エボラ出血熱」を防ぐため、日本から歴史的な一歩が踏み出されました。東京大学の河岡義裕教授らの研究チームが開発した日本発のワクチンが、国内初となる臨床試験(治験)の段階を迎えたのです。自国でワクチンを開発・保有することは、緊急事態が発生した際に迅速な供給や改良を行える大きなメリットがあります。これまで欧米がリードしてきたこの分野において、今回の挑戦は日本の医療技術が世界を救う鍵になるかもしれません。
この頼もしいニュースはSNS上でも瞬く間に話題を呼び、「ついに日本発のワクチンがここまで来たか」「アフリカの人々を救う光になってほしい」といった期待の声が数多く寄せられています。さらに「国産の安心感は大きいので、国は全力でバックアップしてほしい」という開発体制へのエールも見られました。専門家からも、今回の治験開始は日本が国際社会に貢献するための極めて重要なマイルストーンであると評価されており、多くの人が行く末を見守っています。
注目の治験は、2019年12月から安全性を検証する第1段階(第1相試験)がスタートしました。健康な成人男性30人を対象にワクチンを接種し、体調に異変が出ないかを厳重に調査します。あわせて採血を行い、体内にエボラウイルスを捕らえる「抗体たんぱく質」や免疫細胞がきちんと作られているかを確認する計画です。開発を率いる河岡教授は、2019年12月上旬に開催された記者会見で「これまでのデータに確かな手応えを感じている」と力強く自信を語りました。
今回開発された「iEvac-Z(アイイーバックゼット)」は、革新的な仕組みを持っています。これは、ウイルス自体の増殖に必要な遺伝子をあらかじめ除去した上で、人の体内では増えないように処理したエボラウイルスそのものを活用する手法です。ウイルスの構成成分が丸ごと含まれているため、人間の体がウイルスの様々な部位を敵だと認識しやすく、極めて高い感染防御能力が期待されています。2015年のサルを用いた海外実験でも、高い効果が実証されました。
世界の動きに目を向けると、米国の大手製薬会社メルクが開発したワクチンが2019年に欧州連合(EU)で承認されるなど、欧米勢が先行しているのが現状です。しかし、河岡教授らのワクチンはそれらとは異なるアプローチを採用しており、効果や安全性の面でさらに優れたポテンシャルを秘めています。今回の試験で安全性が無事に証明されれば、研究チームはさらに規模を拡大した次のステップの治験へと駒を進める青写真を描いています。
ただし、実用化への道のりには超えるべきハードルが少なくありません。次段階の治験を成功させるには、現在エボラ熱が猛威を振るうコンゴ民主共和国など、海外の流行地域との連携が必須となります。新興感染症の専門家である長崎大学の安田二朗教授は、外交ルートを駆使した政府による強力な後押しが不可欠だと提唱しています。歴史的に欧米の影響力が強い地域において、日本が存在感を示して信頼を勝ち取れるかどうかが今後の成否を分けるでしょう。
また、製薬企業の参入を促す仕組み作りも急務です。主に新興国で流行する感染症の薬はビジネスとしての収益性が低く、どうしても企業が開発を躊躇しがちになります。米国などでは、感染症対策に貢献した企業に対し、別の新薬の審査を優先的に進められるといった魅力的な優遇制度が整備されています。日本も単に研究現場へ丸投げするのではなく、国を挙げた支援体制を早急に構築し、民間企業が参入しやすい環境を整えるべきだと私は強く感じます。
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