2020年1月30日、ふるさと納税制度を巡る注目の裁判で、大阪高裁は総務省による大阪府泉佐野市の除外決定を妥当とする判決を下しました。この結果を受け、泉佐野市の千代松大耕市長は翌日の2020年1月31日に記者会見を開き、納得がいかないとして最高裁判所へ上告する方針を表明しています。SNS上では「ルールを守るべきだ」という厳しい声がある一方で、「地方の必死な努力を国が潰すのはおかしい」といった擁護論もあり、議論が白熱している状況です。
そもそも今回の対立は、泉佐野市が巨額の寄付金を集めたことに端を発します。市側は「2019年5月までは返礼品に関する法的な規制が存在しなかったため、過去の行動を理由に新制度から排除するのは違法だ」と激しく主張してきました。しかし裁判所は、同市の集金手法が突出していた点を問題視し、国が設けた基準は正当な裁量の範囲内であるとして、市側の訴えを全面的に退ける厳しい姿勢を示したのです。
過去の財政危機が背景に!特産品なき自治体の苦肉の策 泉佐野市がここまでふるさと納税に執念を燃やす背景には、かつて経験した深刻な財政難が存在します。同市は関西国際空港の建設に伴う巨額の投資が重荷となり、2008年度決算では財政破綻の一歩手前を意味する「早期健全化団体」に指定される事態に陥りました。これは民間の企業で例えるなら、経営破綻を避けるための再生プランを義務付けられた状態といえます。市民サービスが停滞する危機感の中で、必死の財政改革がスタートしたのです。 特産品が少ないという不利な条件を克服するため、市は格安航空会社(LCC)のポイントを返礼品にするなど、斬新なアイデアを次々と打ち出しました。千代松市長のリーダーシップのもとで税金以外の収入確保に奔走した結果、2013年度決算でどうにか危機的な指定からは脱却したものの、現在もなお膨大な借金の返済に追われる日々が続いています。集まった貴重な寄付金は、老朽化した学校の机や椅子の買い替えといった子供たちのために使われてきました。 編集部の視点:地方の自立と国の規制がもたらす課題
今回の騒動を単なる「返礼品レースの行き過ぎ」として片付けるべきではないと私は考えます。国に頼らず自立しようと知恵を絞った自治体が、後出しのルールによって梯子を外されるような構図には、地方自治のあり方として疑問が残るからです。もちろん制度の健全化は不可欠ですが、過度な規制は地方の旺盛なチャレンジ精神を奪いかねません。学校のプール建設など、市民のための財源確保に向けて戦い続ける泉佐野市の動向を、今後も見守りたいところです。
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