九州経済産業局が2020年1月17日に発表した速報値によると、2019年11月の九州・沖縄地域における百貨店とスーパーの販売額(既存店ベース)は、前年の同じ月と比べて3.5%減少したことが分かりました。この数字は、2014年4月に実施された前回の消費増税直後である2014年5月の減少幅(1.4%減)を大きく上回る深刻な結果となっています。単なる一時的な落ち込みではなく、増税の影響が長引いている現状が浮き彫りになりました。
特に厳しい状況に直面しているのが百貨店で、7.4%減という大幅なマイナスを記録しています。これは全国平均の4.8%減を引き離す数字であり、SNS上でも「確かに最近デパートへ行く回数が減った気がする」「お財布の紐が固くなるのも当然」といった、生活者のリアルな実感が数多く投稿されていました。10月の増税前に高級品を駆け込み購入した反動が、いまだに尾を引いている様子が伺えます。
暖冬がもたらす衣料品戦線の異変
さらに、今回の売上減少に拍車をかけたのが「暖冬」という自然のイタズラです。例年に比べて気温が高い日が続いたため、コートやセーターといった単価の高い冬物衣料の動きが鈍くなってしまいました。アパレル業界にとっては季節の進みが遅いこと自体が大きな痛手であり、ネット上では「11月なのにアウターが必要ないくらい暖かかったから、冬服を買いそびれた」という声が目立っています。
スーパーで明暗を分けた軽減税率の効果
一方で、スーパーの販売額は1.2%減と比較的緩やかな減少にとどまりました。ここで鍵となったのが、お持ち帰り食品などに適用される「軽減税率(特定の品目の税率を低く据え置く制度)」です。店内で調理された総菜をはじめとする食品部門は非常に好調で、日々の食卓を支える工夫が光りました。しかし、その一方で化粧品や衣類などの日用品は増税後の買い控えが続いており、店舗内でも明暗がはっきりと分かれています。
今回のデータから、私たちは現代の消費者がいかにシビアに支出をコントロールしているかを実感させられます。生活に不可欠な食料品は賢く買い、嗜好品や衣料品は様子を見るというメリハリのある防衛策は、これからの時代のスタンダードになるでしょう。小売業界には、単なる値下げではない「この店で買いたい」と思わせるような、体験型のアプローチや新しい付加価値の提案が今こそ求められているのではないでしょうか。
コメント