70%割れ!近畿マンション契約率低下の波紋と消費増税前の「賢い買い控え」戦略

2019年6月24日、不動産経済研究所は、近畿2府4県における2019年5月の新築マンション契約率が前年同月比で1.8ポイント低下し、67.7%となったことを発表しました。この数字は、不動産市場における好不況の目安とされる70%を、実に1年ぶりに下回る結果となりました。背景には、主に投資用マンションの供給減少と、2019年10月に予定されている消費税増税への対応が挙げられます。

契約率の低下は、新築マンションの発売戸数の減少と密接に関係しています。2019年5月の発売戸数は前年同月比で6.2%減の1,388戸となり、これで5カ月連続のマイナスを記録しました。特に、大阪市を除く大阪府下では33.3%減、神戸市では48.8%減、京都市では42.6%減と、主要都市圏での落ち込みが契約率全体に大きく響いている状況です。

この現象は、消費者の「買い控え」が要因の一つと見ています。2019年10月以降、消費税増税への対応措置として住宅ローン減税が拡充される予定であり、ローンを利用して購入する場合、増税後の方が手厚い優遇措置を受けられる可能性が高いからです。これは、実質的な支出を抑えたいと考える賢明な消費者心理の現れでしょう。販売側もこの状況を読み、供給量を絞る動きを見せているため、需要と供給の両面で市場の勢いが一時的に弱まっていると分析できます。

一方で、マンション価格は依然として上昇傾向にあります。2019年5月の新築マンションの平均価格は4,152万円で、前年同月と比べて300万円近くも高くなっています。これは、地価や人件費の高騰が主な理由です。特に大阪市内のファミリー向けマンションでは価格の上昇が顕著なため、住宅購入を検討している消費者が、相対的に価格が落ち着いている堺市などの郊外へ目を向ける傾向も強まっています。

SNSでは、「増税後の減税メリットを考えると、今焦って買う必要はない」「郊外の物件も選択肢に入れるべき」といった、消費者の冷静な意見が多く見受けられます。また、大阪市内では、訪日外国人観光客の宿泊需要に対応した民泊対応マンションの建設が相次いでおり、投資用マンションの需要自体は堅調です。しかし、そもそも建設用地の取得が難しくなっていることから、市場全体への供給は増えにくい状況です。

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増税後のメリットを考慮した供給調整の動き

ここで重要な専門用語である住宅ローン減税について解説しましょう。これは、住宅ローンを組んでマイホームを購入した際、年末のローン残高に応じて一定期間、所得税などから税金が控除される制度のことです。消費税が増税されると、この減税措置が拡充されるため、多くの消費者が増税後の購入にメリットを感じ、一時的に契約を控えているのでしょう。

2019年6月の新築マンション発売戸数は、前年同月を約7%上回る1,300戸程度となる見通しです。この数字は、市場の活気が徐々に戻りつつあることを示唆しています。しかし、契約率70%割れという結果は、単なる一時的な落ち込みではなく、増税を控えた消費者の購買行動の変化が市場に影響を与えていることの証左です。この時期は、価格が高騰する中心部よりも、価格が安定している郊外物件や、増税後の減税措置を見越した慎重な検討が、「賢いマンション購入戦略」の鍵となると確信しています。

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