日本百貨店協会が2019年12月20日に発表した最新のデータによると、全国の百貨店における11月の売上概況は、既存店ベースで前年同月比6.0%減という厳しい結果になりました。これでマイナス成長は2カ月連続となり、業界全体にどんよりとした空気が漂っています。2019年10月に実施された消費税率の引き上げが、私たちの財布の紐を想像以上に固く縛っている様子が数字からも見て取れるでしょう。
今回の苦戦には、増税以外にも大きな要因が潜んでいるようです。11月に入っても例年に比べて気温が下がらず、季節外れの暖かさが続いたことで、冬物衣料の動きが鈍くなってしまいました。百貨店にとって大きな収益源であるコートやニットなどの重衣料が売れない状況は、店舗経営にとって非常に大きな痛手といえます。SNS上でも「まだ冬服を買う気分になれない」「増税分を考えると買い物は慎重になる」といったリアルな声が目立っています。
前回増税時と比較して深刻な「買い控え」の現状
ここで注目すべきは、過去の増税時との違いです。専門的な言葉で言えば、消費者が商品を購入する意欲が一時的に落ち込む「駆け込み需要の反動減」が、今回は長期化する兆しを見せています。前回の増税時と比較しても、客足の戻りが明らかに緩慢である点は、非常に懸念されるべき事態です。12月の年末商戦についても、例年のような華やかな盛り上がりに欠け、苦戦を強いられている店舗が少なくありません。
私は今回の結果について、単なる天候不順や税率変更の問題だけではなく、人々の生活防衛意識がこれまで以上に高まっている証拠だと感じています。特に、日用品をポイント還元があるキャッシュレス決済で購入できる場所へ客流が流れている可能性も否定できません。高級志向を強みとしてきた百貨店は、今まさに「体験型消費」や「独自の付加価値」を再定義しなければならない重要な局面に立たされているのではないでしょうか。
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