2019年10月01日より消費税率が10%に引き上げられたことで、私たちの暮らしには大きな変化が訪れました。しかし、この増税を「ビジネスチャンス」として悪用しようとする動きが水面下で活発化しています。それが、海外から金をこっそりと持ち込む「金密輸」です。税率が上がれば上がるほど、密輸による「利ざや」が膨らむという歪んだ構造が、犯罪組織を惹きつけて止まない現状があるのです。
金密輸の仕組みは非常に単純ながら、強力な誘惑を伴います。香港やシンガポールのといった、金の取引に税金がかからない「非課税国」で金を買い付け、日本国内へ持ち込む際に税関を通さず、消費税分が上乗せされた国内価格で売却するのです。これにより、本来国に納めるべき消費税額がそのまま密輸者の手元に残ります。税率が10%となった今、500万円相当の金を持ち込めば、それだけで50万円もの不当な利益が得られる計算になります。
巧妙化する手口!手荷物カートの内部まで使った驚きの実態
2019年10月には、韓国から福岡空港へ到着した男が、金塊約9.5キログラムを隠し持っていたとして摘発されました。なんと男は、手荷物用カートのフレームにある空洞部分に棒状の金塊を忍ばせていたといいます。こうした「運搬役」は報酬を目当てに動くケースが多く、SNS上でも「これほどの執念があるなら別のことに使えばいいのに」といった呆れ声や、「空港のカートまで使うとは盲点だった」という驚きの反応が広がっています。
財務省の統計を振り返ると、税率が5%から8%へ上がった2014年以降、摘発件数はそれまでの10倍以上に跳ね上がりました。さらに2017年には過去最高となる1347件を記録しています。最近ではLCC(格安航空会社)の普及により、渡航費用を抑えて何度も往復することが容易になったことも、密輸を助長する一因となっているようです。単なる個人の小遣い稼ぎではなく、背景には高度な加工技術を持つ犯罪組織が関与している可能性が極めて高いと見られています。
刑事告発も辞さない!税関が敷く「鉄壁の防御網」
こうした事態を重く見た各地の税関は、現在かつてないほどの厳戒態勢を敷いています。関西国際空港などの主要な玄関口では、最新のゲート型金属探知機やX線検査装置を増設し、少しでも不審な動きがあれば全身チェックを行うなど、水際での阻止に全力を挙げています。また、2018年04月からは罰則も大幅に強化されました。罰金の上限が1000万円、あるいは金価格の5倍にまで引き上げられ、悪質な場合には刑事告発による懲役刑や金の没収という厳しい現実が待っています。
編集者としての視点から言えば、こうした密輸行為は公平な社会を根底から揺るがす許しがたい行為です。正直に納税している国民が馬鹿を見るようなことがあってはなりません。罰則の強化は当然の流れであり、むしろ「犯罪としてのリスクが割に合わない」という認識を徹底的に植え付ける必要があるでしょう。今後は旅行客を装うだけでなく、航空貨物を悪用するケースも増えているとのことで、テクノロジーを駆使したさらなる監視体制の進化に期待したいところです。
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