大学入学共通テストの記述式問題が導入見送りへ!受験生を翻弄した入試改革の転換点と今後の課題

日本の教育界を揺るがしている大学入試改革において、極めて大きな決定が下されようとしています。2020年度からスタートする「大学入学共通テスト」の目玉とされていた国語と数学の記述式問題について、文部科学省は2019年12月12日、来週前半にも導入見送りを正式表明する方針を固めました。

今回の決断の背景には、約50万人もの受験生が挑む大規模な試験において、採点の公平性や正確性を担保することが極めて困難であるという現実的な壁があります。記述式問題は、従来のマークシート方式では測りきれない「思考力」や「表現力」を評価することを主眼に置いていました。

しかし、短期間で膨大な答案を処理するために必要な採点者は約8,000人から1万人にものぼり、採点基準にバラつきが生じる懸念が以前から強く指摘されていたのです。SNS上でも「採点ミスが怖い」「バイトが採点するのは不安すぎる」といった受験生や保護者の切実な声が溢れていました。

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英語民間試験に続く断念、問われる入試改革の在り方

2019年11月に決定された英語民間試験の活用見送りに続き、今回の記述式までもが白紙撤回されることで、入試改革の二本の柱がどちらも消滅する事態となりました。文科省は、自己採点の難しさが受験生の出願先選びに悪影響を及ぼすというリスクを重く受け止めた形です。

政治的な動きも加速しており、2019年12月5日には公明党が延期を検討するよう提言書を提出しました。自民党からも早期判断を求める決議がなされたことが、今回の「見送り」への決定打となったのでしょう。目指した理想と、運用面での未熟さの乖離が露呈した結果だと言わざるを得ません。

筆者の視点としては、教育の質を高める志は理解できるものの、受験生の人生を左右する試験において「公平性」が揺らぐ制度設計はあまりに無謀だったと感じます。今後は、混乱を招いた責任を明確にしつつ、現場が納得できる真に実効性のある改革案が練り直されるべきではないでしょうか。

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