お買い物を取り巻く環境に、今まさに大きな変化の波が押し寄せています。九州経済産業局が2020年01月14日に発表した最新の動向によると、2019年11月における九州・沖縄地区の百貨店およびスーパーの既存店販売額(速報値)は、前年の同じ時期に比べて3.5%減少したことが明らかになりました。この数字は、前回の税率引き上げ直後にあたる2014年05月の1.4%減という記録よりも落ち込みが深く、流通業界には緊張感が走っています。
ネット上でもこのニュースは瞬く間に話題となり、SNSでは「増税のダメージがじわじわ効いてきた」「給料が増えないのに出費ばかり増えて財布の紐を締めざるを得ない」といった悲痛な声が溢れ返っている状況です。これまでの生活水準を維持しようと躍起になる人々の防衛本能が、ダイレクトに反映された結果と言えるでしょう。単なる一時的な落ち込みではなく、構造的な消費の冷え込みが強く懸念される事態となっています。
今回の苦戦をもたらした要因は、実は二大巨頭に集約されます。一つは2019年10月に実施された消費税増税による買い控えの長期化であり、もう一つは記録的な暖冬です。季節の進みが遅いことで、本来であれば売れ筋となるはずの高単価なコートやセーターといった冬物衣料が店頭で足踏み状態を続けています。ただでさえ増税による買い控えがある中で、お天気の神様も味方をしてくれなかったという不運が重なった形です。
とりわけ深刻な影響が見られるのは百貨店業界です。売上は7.4%減と大きく沈み込み、全国平均の4.8%減を引き離す厳しい結果となりました。これは増税前に美術品や宝飾品などを駆け込み購入した反動が、いまだに尾を引いているためと分析されます。高級感溢れるお買い物の場が、かつてない試練に直面しているのは間違いありません。私たちは今、日常の購買行動を根本から見直すタイミングに立ち会っているのです。
食卓を救う軽減税率の光と、日用品で躍進する格安店舗の存在感
一方で、私たちの生活に密着したスーパーマーケットは1.2%減と、比較的傷口を小さく留めています。ここでは「軽減税率」という、生活必需品などの税率を低く据え置く制度が大きな救いとなりました。店内で調理されてすぐに食べられるお惣菜などの食品部門が非常に好調で、日々の食卓を支えています。ただし、化粧品や衣類といった分野では依然として財布の紐が固く、部門ごとの明暗がはっきりと分かれました。
このような逆風が吹き荒れる小売業界の中で、唯一と言っていいほど満面の笑みを浮かべているのがドラッグストアです。全店ベースの販売額は2.2%増と、見事なプラス成長を遂げました。かつては薬を買いに行く場所だった店舗が、今や生鮮食品から日用品までを安価に提供する「生活のインフラ」へと進化を遂げています。消費者が少しでも出費を抑えようとする「低価格志向」を、見事に味方に付けた形と言えます。
SNSでは「日用品はもうドラッグストア一択」「ポイントも貯まるしスーパーより安い」という投稿が目立ち、賢く生き抜く消費者の知恵が垣間見えます。高価なブランド品を百貨店で買う高揚感も素敵ですが、日々の暮らしを守るためには、安さと利便性を徹底追求した店舗へと足が向くのは当然の心理でしょう。今後は、いかにして独自の価値を提供できるかが、すべての小売店にとって生き残りの鍵を握るはずです。
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