日本の建築現場を支える重要な資材に、今、大きな変化が訪れています。農林水産省が2019年11月20日に発表した統計データによると、2019年9月の国産針葉樹合板の在庫量が13万6501立方メートルまで落ち込み、前月と比較して2.4%減少したことが明らかになりました。在庫が減るという事態は、それだけ市場での取引が活発であることを意味しており、実に2カ月ぶりの減少傾向となっています。
そもそも「針葉樹合板」とは、スギやヒノキといった針葉樹を薄く剥いた板を、繊維方向が交互になるよう積み重ねて接着した木質ボードのことです。強度に優れているため、家の壁や床、屋根の下地材として欠かせない存在となっています。SNS上では、建設現場に携わる方々から「最近、合板の入荷が遅れている気がしたけれど、数字で見ると納得だ」「資材の確保に奔走することになりそう」といった、現場の熱量を感じさせる声が上がっています。
今回の在庫減少の背景には、個人の住宅着工件数が右肩上がりで推移していることが挙げられるでしょう。さらに注目すべきは、一般住宅だけでなく、学校や老人ホームといった公共性の高い「非住宅建築」においても、木材利用のニーズが非常に底堅く推移している点です。こうした多方面からの需要増に押し上げられる形で、2019年9月の出荷量は27万3373立方メートルを記録し、こちらも2カ月ぶりに増加へと転じました。
大手メーカーも驚く「荷動き」の良さと今後の展望
市場の活況ぶりは、生産現場の数字からも見て取れます。2019年9月の生産量は26万9852立方メートルに達していますが、それを出荷量が上回っている状態です。大手合板メーカーの幹部からは「製品の動きが非常にスムーズで、あまりの忙しさに納期が遅れ始めてしまうほどだ」という嬉しい悲鳴も聞こえてきます。需要が供給を上回る現状は、林業や木材加工業にとっても、まさに追い風が吹いている状況と言えるのではないでしょうか。
建築業界全体の動きに目を向けると、その他の資材でも変化が起きています。例えば2019年10月のH形鋼の市中在庫は、前月比4.7%減の18万2400トンとなりました。一方で、2019年9月のセメント国内販売量は前年同月比で4.0%増加しています。これは、日本全国で建設プロジェクトが同時並行で動いている証拠であり、建築ラッシュの波が確実に来ていることを物語っています。
私個人の見解としては、近年の環境意識の高まりや「木材利用促進」の流れが、ようやく実際の数字として結実し始めたのだと感じています。単なる景気循環だけでなく、サステナブルな素材としての木材が見直されている証拠でしょう。この勢いが続くことで、国内の森林資源の有効活用がさらに進むことを期待せずにはいられません。資材不足による工期の遅れには注意が必要ですが、業界全体が活気づくのは喜ばしいニュースですね。
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