エレクトロニクス業界を牽引する独立系半導体商社の大手、マクニカ・富士エレホールディングスが、2020年1月27日に最新の決算を発表しました。今回明らかになった2019年4月から12月期における連結決算は、最終的な儲けを示す純利益が前年の同じ時期と比べて39%も減少する45億円となり、厳しい事業環境が浮き彫りになっています。
業績が伸び悩んだ最大の背景には、世界経済を揺るがしている米中貿易摩擦の存在が挙げられるでしょう。アメリカと中国の対立によって引き起こされた関税合戦やサプライチェーンの混乱は、製造業全体の冷え込みを招きました。その煽りを受ける形で、中国国内の産業用ロボットや工作機械に組み込まれる半導体の販売が、大きく落ち込む結果となったのです。
さらに、工場の自動化を意味する「ファクトリーオートメーション(FA)」と呼ばれる分野の需要が減退したことも、大きな痛手となりました。このFA化の減速によって、データを記憶する装置である「メモリー半導体」の取引が不調に陥っています。その結果として、会社を支える大黒柱である半導体事業全体の売上高は、前年同期比で7%減の3176億円へと縮小しました。
一方で、すべての分野が闇に包まれているわけではありません。次世代の超高速通信規格である「5G」に関連した通信設備への投資は、中国市場を中心に非常に力強い動きを見せています。それにもかかわらず、今回はパソコンやデータセンターなどのコンピューター市場向け半導体における深刻な不振をカバーするまでには至らず、全体の売上高は4%減の3851億円にとどまりました。
今回の発表を受けて、SNSなどのインターネット上では「米中対立のリアルな影響が数字に出ていて、半導体業界の厳しさを物語っている」といった驚きの声が広がっています。その一方で、「最先端の5G分野では確実に需要を掴めているため、今後の巻き返しに期待したい」という前向きな視点を持つ投資家やビジネスパーソンの投稿も多く見受けられました。
なお、2020年3月期の通期業績予想について、同社は従来の数値をそのまま据え置いています。年間を通じた売上高は前の期と比べて3%減の5100億円、純利益は28%減の64億円に落ち着く見通しとのことです。世界的な情勢に左右されやすいビジネスモデルだからこそ、今は耐え忍ぶ時期だと言えます。
編集部としては、今回の減益は一時的な外部環境の悪化によるものであり、過度に悲観する必要はないと考えます。確かに現在の足元は不安定ですが、5Gという巨大なトレンドの波を捉えている点は強力な強みです。米中摩擦の動向を注視しつつ、製造業の自動化投資が再び活発化すれば、同社が持つ高い技術提案力を武器に、再び力強い成長軌道へ戻る可能性は十分にあります。
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