2020年2月1日現在、大阪の観光産業を支える宿泊施設に、少しずつ変化の兆しが見えています。日本経済新聞社の調査によると、2019年12月における大阪市内の主要13ホテルの平均客室稼働率は、前年同月比で1.1ポイント減の90.3%となりました。稼働率とは、ホテルが持つ総客室数のうち、実際にどれだけ宿泊客に利用されたかを示す重要な指標です。この数字が前年を下回るのはこれで3カ月連続であり、調査対象のうち9つのホテルで稼働率が低下する結果となりました。
具体的な施設名を見ても、リーガロイヤルホテルが3ポイント、ホテルニューオータニ大阪が1.5ポイントのマイナスを記録しています。もちろん、これらのホテルは依然として満室に近い高水準を維持していますが、業界全体が右肩上がりで成長を続けてきた近年の大阪において、この連続した減少は無視できないサインと言えるでしょう。街中では、この状況を「これまでが好調すぎた調整局面ではないか」と冷静に見守る声がある一方、SNS上では「大阪の活気が少し落ち着いてきたのか」「今後の観光需要はどうなるのか」と不安視する投稿も散見されます。
新型肺炎が突きつける未来への不安
さらに深刻なのは、今後待ち受ける不透明な先行きです。特に懸念されているのが、新型コロナウイルス感染拡大による影響です。中国政府が2020年1月下旬から海外への団体旅行を禁止したことを受け、大阪を訪れる中国人観光客の減少は避けられない情勢となりました。帝国ホテルでは、東京・大阪の両施設で合計20組もの団体客からキャンセルや延期の申し出があり、現場は対応に追われています。今後、さらにこの動きが拡大する可能性は極めて高いでしょう。
私個人としては、今回の件は単なる一時的な需要減にとどまらず、グローバルな外的要因に対して、いかに宿泊業界が柔軟なリスク管理を行えるかが問われていると感じています。各ホテルは当面、韓国人観光客の減少や競合施設の増加といった既存の課題に加え、ウイルスの脅威にも立ち向かわねばなりません。ロイヤルホテルの関係者が「相当厳しい結果になりそう」と語る通り、今はまさに観光業界にとって正念場です。このような時こそ、国内からの集客を強化し、日本の良さを再発見してもらう姿勢が重要ではないでしょうか。
また、中国の春節(旧正月)休暇が延長されるなど、状況は刻一刻と変化しています。ホテルニューオータニ大阪が「延泊を希望する方には喜んで対応する」と述べているように、目の前のゲストに対し、いかに寄り添ったホスピタリティを提供できるかが、苦境を乗り越えるための唯一の希望となるはずです。先の見えない不安はありますが、大阪という街の底力と、ホテルのプロフェッショナルな対応力が、この困難を乗り越えてくれることを信じています。
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