トランプ米大統領の弾劾裁判、重要証人の招致見送りで全容解明は迷宮入りか?

2020年1月31日、ワシントンで歴史的な攻防が繰り広げられました。米議会上院におけるトランプ大統領の弾劾裁判で、ボルトン前大統領補佐官をはじめとする新たな証人の招致を求める動議が、与党・共和党の反対多数によって否決されたのです。この決定により、トランプ大統領は無罪評決に向けて大きく舵を切りましたが、同時に「ウクライナ疑惑」の真相に迫る道は、いっそう遠のいてしまったと言えるでしょう。

今回の採決は賛成49票、反対51票という極めて僅差の結果でした。与党・共和党は定数100の上院で過半数の53議席を占めていますが、ロムニー議員やコリンズ議員といった共和党内の造反の動きもあり、一時は予断を許さない状況でした。しかし、土壇場で他の議員たちが結束したことで、共和党指導部はかろうじて主導権を死守した格好です。

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分断される米政治と深まる疑惑の闇

今回の決定に対し、SNS上では「真相を闇に葬るのか」といった落胆の声や、「これ以上の調査は国家の分断を招くだけだ」といった擁護派の意見が入り乱れ、世論の二極化が浮き彫りになっています。私個人としては、国民の知る権利が守られなかったことに強い懸念を覚えずにはいられません。権力者による公私混同を監視するシステムが、政党の論理で機能不全に陥っているように見受けられます。

ここで少し「弾劾裁判」について補足します。これは大統領などの公職者が「権力乱用」や「議会妨害」といった重大な罪を犯した疑いがある際に、議会がその罷免(職を解くこと)を審理する非常に重いプロセスです。2019年12月、下院はまさにこの罪状でトランプ大統領を訴追していましたが、上院での裁判はあくまで与野党の政治的対決の様相を呈しています。

共和党のアレクサンダー議員は、大統領の不適切行為そのものは認めつつも、罷免には値しないと主張しました。この「行為は認めるが罰するほどではない」という論理は、非常に高度で複雑な政治的妥協の産物です。一方、民主党のペロシ下院議長は、「隠蔽工作の共犯者」と強く非難しており、この亀裂は週明けから本格化する大統領選にも大きな火種を残すことになるでしょう。

今後は2020年2月3日に最終弁論が行われ、2月5日には最終的な評決が下される予定です。罷免には上院議員の3分の2以上の賛成が必要であり、現状では共和党が結束を保っているため、無罪評決が下される公算が極めて高いといえます。疑惑の全容が明らかにならないまま幕が引かれようとするこの裁判、歴史はどのように評価を下すのでしょうか。

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