「考えるより手を動かせ!」北九州高専発・次世代の起業家を育む「高専起業部」の挑戦

いま、スタートアップ業界で熱い視線を浴びている存在をご存知でしょうか。それは、高等専門学校(高専)の卒業生たちです。高専生の魅力は、なんといっても「考えるよりもまず手を動かす」という実践重視の姿勢にあります。この生粋のエンジニア気質は、試行錯誤が不可欠なスタートアップの現場と非常に相性が良く、次代のイノベーターとして大きな可能性を秘めているのです。

そんな彼らの挑戦を後押ししようと、北九州高専では「高専起業部」というユニークなコミュニティーが活動しています。ここが単なる部活動とは一線を画しているのは、運営主体が同校発のスタートアップ企業であるネクストテクノロジーである点です。校内の施設「ファブラボ」には、工作機械や3Dプリンターがずらりと並び、学生たちはアイデアを即座に形にする環境で、日々ビジネスの芽を育てています。

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世界へ羽ばたく高専生の発想力

「技術ギーク(オタク)になりがちな高専生ですが、実際に手足を動かせるのは無二の強みです」と語るのは、高専起業部を立ち上げた准教授の滝本隆氏です。部では、ビジネスアイデアを競う「ハッカソン(チームで短期間に集中して開発を行うイベント)」を主催しており、その影響力は北九州にとどまりません。2019年夏には、国際協力機構(JICA)からの依頼を受け、なんとアフリカの地で課題解決に挑みました。

ケニアではごみから飼料用アブの幼虫を分ける装置を、ナイジェリアでは人手不要の水道メーターを開発するなど、学生たちは2週間という短い期間で見事に試作品を完成させました。SNS上でも「高専生の実践力は凄まじい」「日本の製造業の未来がここにある!」といった驚きや賞賛の声が相次いでいます。若きエンジニアたちが世界の課題に立ち向かう姿は、多くの人の心を揺さぶったようです。

起業家精神を育むエコシステムの拡大

ネクストテクノロジー代表の秦裕貴氏も、高専生の中に米アップル創業者のスティーブ・ウォズニアック氏のような「技術を深く理解する起業家」の卵を数多く見出しています。北九州高専では、2019年11月から「スタートアップ概論」という単位認定可能な講義をスタートさせ、現役のビジネスパーソンによる実践的な指導を取り入れました。単なる講義に留まらず、プレゼンテーションを通じてビジネス感覚を磨く環境が整えられています。

私自身、この動きを非常に画期的だと感じています。学業の傍らで本気で起業を模索できる環境は、若者の才能を飛躍的に伸ばすはずです。滝本氏が教え子にかける「失敗したら学業に戻ればいい」という言葉には、若者の挑戦を支える温かいエールを感じます。地域企業と連携した就労体験も進んでおり、北九州から全国、そして世界へ、高専生の熱い挑戦はこれからも続いていくことでしょう。

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