チャイナマネー急減でバブル崩壊!カンボジア・カジノ都市の現状と一帯一路の罠

かつては静かなリゾート地であったカンボジア沿岸部の都市シアヌークビルが、いま激動の渦中にあります。数年前から中国資本が大量に流入し、オンラインカジノを中心とした一大娯楽都市へと急成長を遂げました。しかし、そのきらびやかな好景気は突如として終わりを迎えてしまったのです。インターネット上でも「まるでジェットコースターのような経済の浮き沈みだ」「他国の資本に依存する恐ろしさを感じる」といった声が相次いで投稿されており、多くの人々がこの街の行方に注目しています。

開発の波が押し寄せるようになったのは2016年頃からです。中国政府が主導する巨大なシルクロード経済圏構想である「一帯一路」に後押しされる形で、莫大な中国マネーと多くの労働者がこの地に流れ込みました。港湾や経済特区への投資に加え、投機的な資金も怒涛のように押し寄せてきます。その結果、2019年半ばにはカジノの数が70軒以上にまで膨れ上がったと言えるでしょう。のどかだった街は至る所でビルが建設され、混沌とした巨大な工事現場へと姿を変えていったのです。

地元の人々もこのバブルに乗ろうと必死でした。急増する中国人労働者の需要に応えるため、銀行から多額の融資を引き出して不動産業などに次々と参入したのです。ある調査会社によれば、カジノ部門の年間売上高は少なくとも35億ドルから50億ドルに達し、その9割をオンラインギャンブルが占めていたと推測されています。関連企業は約200社にも上り、20万人以上もの人々がこの産業に従事して街の経済を力強く牽引していたとみられます。

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突然の禁止令とゴーストタウン化への懸念

ところが、2019年8月18日にカンボジアのフン・セン首相がオンラインギャンブルを違法化する方針を突如として打ち出すと、事態は急転直下します。この発表によってバブルはあっけなく弾け飛びました。数十軒あったカジノの多くが閉鎖や従業員の解雇に追い込まれ、影響を受けた労働者は7千人を超えています。この唐突な決断の裏には、中国政府からの強い圧力が存在したと考えざるを得ません。

中国当局は、シアヌークビルが自国民向けの違法なギャンブルの温床になっていると問題視していました。さらには、インターネットを通じた詐欺や、犯罪で得た不正資金を合法的なお金に見せかける「マネーロンダリング」の拠点になっていると警戒を強めたのです。SNSでは「中国の鶴の一声で街の運命が決まってしまうのは恐ろしい」という意見も多く見受けられ、小国が大国の意向に激しく翻弄される現実が浮き彫りになっています。

政府の発表からわずか数週間の間に、数万人規模の中国人労働者が街を後にしました。一説には合計で10万人以上が流出したとも報道されています。飲食店は次々とシャッターを下ろし、不動産市場も壊滅的な打撃を受けたのです。「建設途中のビルは無数にあるのに、働く場所が全く見つからない」と途方に暮れる作業員の姿が、今の街の惨状を如実に物語っています。過度な外国資本への依存が、いかに脆く危険であるかを示す苦い教訓となりました。

崩壊の足音とカンボジアが目指すべき未来

実は衰退の兆しは、ギャンブル禁止令の前から表れていました。2019年6月22日には建設中のビルが崩壊して28名が命を落とすという痛ましい事故が発生しています。これを機に当局が安全基準を厳格化したため、多くのプロジェクトが頓挫していたのです。しかし、地元住民にトドメを刺したのは間違いなくオンラインカジノの禁止措置でした。借金をしてまで投資に走っていた人々は、資産を投げ売って返済に追われるという悲惨な状況に追い込まれています。

それでも、街の未来を決して諦めていない人々も存在します。経済の成長スピードは落ちるものの、再び発展の軌道に乗ると信じる声は少なくありません。ただ、私自身はバブルの清算だけでは不十分だと考えています。目先の利益に飛びつくのではなく、自国の足腰を強くするための地道なインフラ整備や、健全な産業の育成こそが急務ではないでしょうか。中国の支援による道路や排水施設の整備も計画されていますが、真の自立を目指す姿勢が問われていると感じます。

シアヌークビルは2022年に予定されている東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の開催地にも選ばれており、国際的な舞台に向けて街を再建できるかが大きな試練となるでしょう。カンボジア政府も今後数ヶ月が地域経済の回復において極めて重要な期間であると認識し、治安の確保と発展に全力を注ぐ構えを見せています。他国の資本にただ依存する体質から脱却し、地域に根ざした持続可能な経済モデルを築き上げることが、今まさに求められているのです。

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