2020年2月5日、インターネットサービス大手であるディー・エヌ・エー(DeNA)が、同社にとって非常に重い発表を行いました。2005年の上場以来、初めてとなる最終赤字への転落です。2019年4月から12月までの連結最終損益は501億円の赤字に沈み、2020年3月期の通期でも赤字は避けられない見通しとなりました。守安功社長が会見で「責任を感じている」と陳謝し、役員報酬の減額を発表する事態に、SNS上でも「かつての巨人の苦境に驚きを隠せない」「時代を築いた企業でも安泰ではないのだな」といった驚きと懸念の声が広がっています。
今回の巨額赤字の引き金となったのは、主力であるゲーム事業の失速です。かつて「モバゲー」がガラケー市場を席巻した黄金時代を知る者にとって、スマホシフトへの出遅れと現在の苦戦は、時の流れの残酷さを感じさせます。挽回を期して2019年8月に「ポケモンマスターズ」、9月に「マリオカート ツアー」という強力なIPを活用したタイトルを投入しましたが、課金収入は想定を大幅に下回りました。
減損という名の過去との決別と、多角化の苦悩
この業績低迷を受け、DeNAは過去に米国子会社を買収した際などに計上した「のれん」や開発費を「減損」として一気に処理しました。専門用語で「減損」とは、投資した事業の収益性が当初の予定より著しく下がった際、帳簿上の価値を実態に合わせて引き下げる会計処理のことです。今回は計500億円規模の損失となり、将来への期待値が「過去の資産価値」として大きく削ぎ落とされた形です。企業経営の厳しさを痛感します。
窮地を脱するため、DeNAは長年ヘルスケアやモビリティーなどへの多角化を推進してきました。しかし、いずれもゲームに代わる大黒柱に育てるには至っていません。さらに、期待されていた配車アプリ事業を日本交通ホールディングスと統合させることで、成長期待の高かった分野を連結から外すという経営判断も下しました。この決定は、同社がいかに「今、収益を生む事業」の創出に苦心しているかを物語っています。
個人的には、かつて多角化で名を馳せた同社が、今やプロ野球事業以外に確固たる収益柱を持てない現状に強い危うさを感じます。ライブ配信やヘルスケア保険が次の柱候補として挙げられていますが、果たして「ゲームに次ぐ第2の創業」を成し遂げられるのでしょうか。かつての成功体験に縛られず、真の意味で新しい価値を市場へ問い直す力が、今まさに試されているのでしょう。
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