2020年2月6日、世界中のエンターテインメント業界が驚きに包まれました。米ウォルト・ディズニーが提供する動画配信サービス「ディズニー+(プラス)」が、驚異的な成長を見せているからです。2019年11月に北米とオランダでサービスを開始してから、わずか2カ月足らずの2019年12月末時点で、なんと会員数は2650万人に達しました。
この数字がどれほど凄いことか、業界のパイオニアであるネットフリックスと比較してみましょう。ネットフリックスが持つ北米会員数約6766万人の、約4割に相当する人数をわずか2カ月で獲得したのです。年明けの2020年1月だけでさらに210万人増え、直近では2860万人を突破しました。これは市場の予想を大きく上回るペースであり、ディズニーというブランドがいかに愛されているかを証明しています。
キャラクターが動く、ディズニー独自の強固な戦略
SNS上でも「週末はずっとディズニー作品を観ている」「マンダロリアンが最高すぎる」といった喜びの声が溢れています。今回の成功の鍵は、ディズニーが持つ「IP(知的財産)」の強さにあるでしょう。IPとは、キャラクターや映画作品、物語といった独自の知的資産のことです。ディズニーは映画を観るだけでなく、グッズを買ったり、テーマパークで体験したりと、生活のあらゆる場面にキャラクターを登場させています。
実際に、全米の小売りチェーン「ターゲット」では、店舗内にディズニー専用の売り場を展開し始めています。動画配信でキャラクターに親しんだ子どもたちが、店舗でグッズを目にするという相乗効果は凄まじいものがあるはずです。映画の公開、動画配信、そしてテーマパークのアトラクションという、すべての体験がつながっている点こそ、他社にはないディズニーだけの圧倒的な武器なのです。
立ちはだかる壁と、これからの挑戦
もちろん、すべてが順風満帆というわけではありません。動画配信への先行投資がかさみ、直近の決算では営業利益が押し下げられました。また、2020年1月下旬からは、中国の武漢市で発生した新型コロナウイルスによる新型肺炎の影響で、上海と香港のディズニーランドを閉鎖するという事態にも直面しています。閉園が長引けば、大きな収益的ダメージは避けられないでしょう。
私個人としては、ディズニーのこの戦略はエンターテインメントの未来を切り拓く重要な挑戦だと考えています。動画配信を単なる映像コンテンツの提供で終わらせず、パークやグッズ事業への入り口として機能させることで、強固な収益サイクルを築こうとしているからです。2020年3月からは欧州やインドへも進出します。山積する課題を乗り越え、世界をさらなる夢の世界へ変えていけるのか、今後の動向から目が離せません。
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