日本は今、どこで巨大災害が起きてもおかしくない「災害多発時代」を迎えています。悲劇を繰り返さないために、過去の教訓を未来への知恵へと変えようと奔走する人々がいます。2020年1月17日で発生から25年目を迎えた阪神淡路大震災。その大 agonizing な経験をバネに、柔軟なルール作りや徹底した避難対策で次の危機に備えるリーダーたちの挑戦が、SNS上でも「これこそ今必要な議論だ」「諦めない姿勢に勇気をもらえる」と大きな反響を呼んでいます。
震災当時、崩壊した数多くのマンション再建という難題に立ち向かったのが、神戸出身の弁護士である戎正晴氏です。複数の建物が同じ敷地に立つ「団地」では、一部の建物だけを建て替える前例が当時ありませんでした。そこで戎氏は、分譲マンションなどの共同所有関係を定めた「区分所有法」の規定を深く読み込み、全体の合意形成を図る画期的な方法を提案しました。住民たちを粘り強く説得し、見事に団地の再生を成し遂げたのです。
迅速な復興を支えるための法制度改革へ
戎氏が現在取り組んでいるのは、被災した団地の敷地をよりスムーズに分割できるようにする法整備の推進です。現在の仕組みでは、一部の棟を再建する際にも団地全体の膨大な賛成票が必要となり、これが復興の足かせになっています。「敷地の切り離しが容易になれば、住まいを失った人々の生活再建を劇的に早めることができる」と戎氏は確信しています。この迅速な法的な枠組みの整備こそが、都市型災害における次の一手となるでしょう。
一方、未来の巨大地震として懸念される南海トラフ巨大地震の脅威に、真っ正面から立ち向かう自治体もあります。全国一とされる最大34.4メートルの津波襲来が想定されている高知県黒潮町です。この町の舵取りを担う大西勝也町長は、かつて神戸の復興工事に携わった経験を防災に注ぎ込んでいます。国から衝撃的な津波想定が発表された当時、町内には諦めのムードが漂いましたが、大西町長の脳裏に浮かんだのは、見事に蘇った神戸の街並みでした。
「犠牲者ゼロ」を目指す徹底的な地域防災
「大切な住民の命を一人たりとも諦めない」という強い決意のもと、大西町長は津波対策を根本から見直しました。行政主導ではなく、職員と住民が膝を突き合わせるワークショップや、実践的な避難訓練を何度も重ねたのです。これにより、誰がどこに逃げるのか、移動が困難な高齢者などの要援護者を誰がサポートするのかを地域全体で明確に洗い出しました。こうした草の根の活動が、住民の意識を「諦め」から「生き抜くための備え」へと変えています。
私たちは、自然の猛威を前にして決して無力ではありません。事前の確かな「知識」と、体に染み込ませた「訓練」こそが、いざという瞬間に生死を分ける決定的な鍵となります。ただ制度を整えるだけでなく、一人ひとりが当事者意識を持って日常の中に防災を組み込んでいくこと。それこそが、過去の震災で犠牲になった多くの方々の教訓を未来へ生かす、私たちの責務ではないでしょうか。あきらめない歩みが、確実により良い未来を築いていくはずです。
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