日本のビジネスパーソンにとって、海外での活躍はキャリアアップの大きな目標の一つでしょう。しかし、2020年2月6日現在、その門戸が急速に狭まっている事実に驚きを隠せません。人材紹介大手のジェイエイシーリクルートメント(JAC)が公表したデータによると、2019年10月から12月にかけて、日本企業の海外事業に関連するホワイトカラーの求人が、前年同期比でなんと49%も減少したのです。
この急激な冷え込みは、単なる一時的な現象ではありません。前四半期である2019年7月から9月と比較しても、29%の減少を記録しています。背景には、世界経済を揺るがす米中貿易摩擦の影が色濃く落とされています。ここでいう米中貿易摩擦とは、アメリカと中国という二大経済大国が、関税の引き上げなどを通じて繰り広げている貿易上の対立のことです。この影響により、輸出の不振や海外売上高の目減りに直面した製造業を中心に、企業が採用活動に対して極めて慎重な姿勢を強めている状況が読み取れます。
地域ごとの温度差と揺れる海外市場
市場の混乱は地域ごとに明確な差となって表れています。長引く市民の抗議デモで不安定な情勢が続く香港では求人数が9%減となり、中国本土でも7%の減少が見られました。また、韓国においては37%減と、厳しい状況が浮き彫りとなっています。SNS上でも「駐在のチャンスが減っている」「海外現地採用の募集が以前より見当たらない」といった不安の声が散見されます。こうした採用の停滞は、先行きの不透明な経済情勢を如実に反映していると言えるでしょう。
しかし、すべてが停滞しているわけではありません。注目すべきは東南アジアの躍進です。ベトナムでは日系企業の求人数が65%も増加しており、2017年7月から9月期以降、一貫して前年実績を上回る成長を維持しています。特にIT関連企業が積極的に人材を求めており、次なるビジネスのハブとして存在感を高めています。私個人の見解として、今後は一極集中ではなく、リスク分散と成長性を両立させた市場開拓へと企業の戦略がシフトしていくはずです。
さらにインドネシアでも23%の求人増が確認されています。興味深いのは、単なる業務拡大だけでなく、日本人駐在員の後任を現地採用へと切り替えるコスト効率重視の動きが加速している点です。海外でのキャリアを目指すのであれば、これからは成長著しい東南アジアへ目を向けることが、賢明な戦略となるのではないでしょうか。
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