エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)は2020年2月5日、傘下の阪急阪神百貨店を率いる荒木直也氏(62)が、4月1日付で新たに社長へ昇格すると発表しました。小売業界の注目を集めるこの人事、最大のミッションは、慢性的な赤字に喘ぐイズミヤをはじめとしたスーパー事業の抜本的な立て直しでしょう。
荒木氏といえば、阪急うめだ本店を関西を代表する百貨店へと押し上げた立役者として知られています。長年、百貨店という華やかな舞台で実績を積み上げてきた手腕を、今度は厳しい環境にあるスーパー業態でどう発揮するのか、市場の期待は高まるばかりです。SNS上でも「百貨店のカリスマがスーパーを変えられるのか?」「百貨店流の接客がスーパーに導入されるのなら楽しみ」といった、期待と注目の入り混じった声が多く見受けられます。
百貨店の知見をスーパーへ、求められる大胆な改革
H2Oのスーパーセグメントにおける2019年4月から12月期の営業損益は、11億円の赤字を記録しました。この厳しい状況を打破するため、イズミヤが抱えていた日用品販売部門を切り出し、4月にはドラッグストア大手であるココカラファインとの共同出資会社へ移管する計画が進められています。これは、専門的な強みを持つ企業と手を組むことで、効率化を図る戦略です。
しかし、足元ではスーパーの主力である食料品販売にも不振の波が押し寄せています。近年、ドラッグストアが食料品販売を強化する「フード&ドラッグ」化の動きが加速しており、競争は熾烈を極めているのです。組織の再編だけで、消費者の信頼を取り戻し利益を上げられるのか、先行きは決して楽観視できません。
私個人としては、荒木氏の「百貨店畑」というキャリアは、今回の改革においてむしろ武器になると考えています。既存のスーパーの枠組みにとらわれない、「独自性を見いだして戦う」という百貨店ならではの視点は、今の停滞したスーパー業界に新たな風を吹き込むのではないでしょうか。門外漢だからこそできる大胆なメス入れに、小売業界の未来をかけてほしいと強く願っています。
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