【コンビニの未来】2019年売上高は微増も、成長の岐路に立つ業界の今

2020年1月22日、日本フランチャイズチェーン協会より興味深いデータが発表されました。2019年12月のコンビニエンスストア既存店売上高は、前年同月比0.3%減の9155億円となり、3カ月ぶりにマイナスへと転じました。クリスマスシーズンの恩恵を受け、デザート類は活況を呈したものの、前年同時期に大きく貢献したチケット販売の反動減が大きく響いたようです。

このニュースを受けてSNS上では、「コンビニに行っても欲しいものが見つからないことがある」「チケット販売頼みからの脱却が必要なのでは?」といった鋭い指摘や、消費者の購買行動の変化を分析する投稿が相次いでいます。確かに、ただ商品を並べるだけでは売れない時代が到来しているのかもしれません。

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客単価上昇の裏側に潜む課題

気になる客足ですが、既存店の来客数は1.1%減と3カ月連続での減少が続いています。一方で、客単価は0.7%上昇し、3カ月連続のプラスを維持しました。これは、来店回数は減っても、一回あたりの買い物額は増えていることを意味します。値上げの影響だけでなく、プレミアム商品やセット購入の浸透が背景にあると推測されます。

品目別で見ると、チケット販売などの「サービス」が5.2%、たばこや雑誌を含む「非食品」が1.3%減少しています。特にサービス部門の苦戦は顕著です。これに対し、冷凍食品やレトルト食品などの「加工食品」は1.4%の伸びを記録しました。また、おにぎりや弁当といった「日配食品(製造後すぐに店舗へ配送される食品)」も0.2%増と底堅く推移しています。

私は、この数値の変化こそが、コンビニが単なる小売りから「食のインフラ」へと脱皮しようとしている証拠ではないかと考えます。特に「中食(家庭外で調理された食品を家庭やオフィスで食べるスタイル)」需要の高まりは、多忙な現代人のライフスタイルを見事に反映しているのでしょう。

2019年通年で見えるコンビニの底力

2019年通年の既存店売上高に目を向けると、前年比0.4%増の10兆3421億円となり、2年連続のプラスを達成しました。全店ベースでは11兆1608億円(1.7%増)と、依然として巨大な市場規模を誇ります。昨今の成熟した市場環境において、年間を通じてこの数字を維持したことは、コンビニ業界の底力と言えるのではないでしょうか。

今後、少子高齢化や人手不足が懸念される中、コンビニ各社にはさらなる効率化と、顧客の心をつかむ独自の価値提案が求められます。単に便利な場所というだけではなく、生活の中に新しい提案を投げかける「生活のパートナー」としてどう進化していくのか、今後の戦略を注視していきたいと思います。

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