おしゃれを楽しみたい冬シーズンですが、地球温暖化の影響による記録的な「暖冬」が、アパレル大手の経営に大きな影を落としています。「ナノ・ユニバース」などの人気ブランドを展開するTSIホールディングスは、2020年1月22日、今期の業績予想を大きく見直すと発表しました。
これまで同社は、2020年2月期の連結営業利益について、前期と比べて48%増となる34億円を見込んでいました。連結営業利益とは、本業の儲けを総合的に表す指標のことです。しかし、ふたを開けてみれば一転して56%減の10億円へと下方修正を余儀なくされました。
この劇的な下方修正の最大の要因は、アウターやニットといった高単価な冬物衣料の深刻な販売不振にあります。売れ残りを防ぐために値引き販売を強化した結果、売上に対する利益の割合を示す採算が急激に悪化してしまいました。売上高も従来予想から70億円下振れし、1710億円にとどまる見通しです。
ただし、2018年に買収したカジュアル衣料の上野商会による売上が貢献しているため、全体の増収は何とか維持できる模様です。ネット上では「お気に入りのコートを買いに行ったが、今年は確かに分厚い上着の出番が少なすぎる」「セールが早くて助かるけれど、お店の経営が心配」といった、消費者のリアルな声が飛び交っています。
気候の変動に左右されやすい衣服ビジネスの難しさが、改めて浮き彫りになった格好と言えるでしょう。これからの時代は、天候リスクを見据えた機動的な在庫管理や、気温変化に左右されにくい商品展開が、企業の生き残りをかけた極めて重要な鍵になりそうです。
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