福岡県の金融界に大きな激震が走りました。地元の頼れる金融機関である筑邦銀行が2020年01月17日、SBIホールディングスとの間で資本提携を結んだことを発表したのです。この提携により、SBIホールディングスは最大で3%の株式を取得する見込みとなっています。ネット上では「ついに地銀とSBIの本格的な融合が始まった」「地方の金融サービスがガラリと変わりそう」といった、今後の展開に期待を寄せるSNSの声が数多く上がっていました。
現在の金融業界は、超低金利の長期化や人口減少によって非常に厳しい経営環境に直面しています。とりわけ筑邦銀行が拠点を置く福岡県は、全国最多となる5つの地方銀行がひしめき合う日本屈指の激戦区です。福岡銀行や西日本シティ銀行といった巨大な金融グループが規模の優位性を誇るなか、規模で一歩譲る筑邦銀行は、先進的なデジタル技術を活用した金融サービスである「フィンテック」や、魅力的な金融商品の開発ノウハウを持つSBIの力を借りることで、独自の生き残り戦略を描いています。
同日に福岡県久留米市の本店で行われた記者会見において、佐藤清一郎頭取は、世界市場や最先端のIT企業と強固なつながりを持つSBIと、地域に密着してお客様との接点を大切にしてきた同行は、お互いの弱みを補い合える関係であると力強く語りました。長きにわたり確固たる協力体制を築くために、今回はあえて株式を持ち合う決断に至ったそうです。このニュースに対してSNSでは、「単なる業務提携より一歩踏み込んだ決断に本気度を感じる」と好意的な意見が目立っています。
実は両者の連携は今回が初めてではなく、2017年にはすでにSBI証券と業務提携を開始していました。翌年の2018年には共同で金融商品の販売店舗を久留米市内にオープンさせており、2019年にデジタル地域通貨を発行した際にも、SBIの出資企業から高度な技術支援を受けています。会見で佐藤頭取は「今回の資本提携はSBI側からアプローチがあった」と明かしており、2020年04月には福岡市内に新たな共同店舗を開設する計画も公表され、両者の距離は急速に縮まっています。
メガグループに対抗!独立を維持しながら進めるスピード改革の全貌
今回の戦略の肝となるのは、最先端技術を用いた地域経済の活性化を意味する「地方創生」にあります。筑邦銀行はデジタル技術を導入することで、地場企業の生産性を劇的に向上させ、個人の資産形成を力強く後押しする方針です。さらに、市場運用の一部をSBIグループに委託することで効率化を進めます。近隣の県の地銀からも融資の攻勢を受けるなか、独自の価値をいかに早く提供できるかが勝負の分かれ目となるでしょう。
筑邦銀行の2019年03月期の最終利益は7億3900万円となっており、大手の金融グループと比較すると規模の差は歴然です。しかし佐藤頭取は、利ざやだけで稼ぐこれまでの銀行のビジネスモデルは変革が必要であると指摘したうえで、銀行同士が統合するよりも、SBIと組む方が圧倒的にスピード感を持って生まれ変われると、独自の路線に強い自信をのぞかせました。SNSでも「他行に吸収されるのではなく、ITの力で独立を守る姿を応援したい」と、その姿勢を支持する声が上がっています。
経営の独立性を守るという点についても、佐藤頭取は強いこだわりを見せました。最大3%という出資比率は、筆頭株主にはならないものの、株主の上位10番以内に入ってもらうための絶妙なバランスとして設定されたものです。今後に向けて出資比率をさらに引き上げることや、SBIから役員を迎え入れる予定は現時点ではないと断言しました。1952年の創業以来、中堅・中小企業向けの融資を主軸に地域を支えてきた「戦後地銀」としての誇りが、この言葉からにじみ出ています。
編集部としては、今回の筑邦銀行の選択は非常に理にかなった先進的な一手であると考えています。単なる規模の拡大を目指す合併は時間とコストがかかりますが、SBIという強力な外部の知見を借りることで、独立を保ちながら急速にデジタル化を推し進めることが可能になります。激戦区の福岡で、このハイブリッドな戦略がどのような果実をもたらすのか、今後の地域経済の発展と同行の変革から目が離せません。
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