自動車業界が100年に1度の大変革期を迎える中、部品大手のアイシン精機が未来を見据えた大胆な舵取りを見せています。同社の伊勢清貴社長は2020年を分社経営からグループ経営へと大きく舵を切る重要な1年と位置付け、変革を急ピッチで進める覚悟を示しました。2021年には変速機製造の主軸であるアイシン・エィ・ダブリュ(AW)との統合が控えており、新会社はグループ全体の約8割の規模を誇る巨大組織となる見込みです。
今回の統合において特筆すべきは、単なる2社の合体にとどまらず、グループ全体でシナジー効果を生み出そうとしている点でしょう。これまでは各子会社が独自に行っていた研究開発などの業務を、今後は一つのベクトルに統一して効率化を図る方針です。SNS上でも「アイシンの統合は日本の自動車産業の勢力図を塗り替える」「グループの技術が結集すればかなり強力な組織になる」といった、期待に満ちた声が数多く寄せられています。
スムーズな合流に向けて同社は2020年4月に大部分の新体制を始動させる計画を掲げており、すでに調達部門の一本化という具体的な先行事例を作りました。業界で注目される「CASE」とは、コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化の頭文字を取った次世代モビリティのキーワードです。生き残りをかけたこの先端分野へ注力する一方で、既存部品の選択と集中もシビアに進める姿勢からは、経営陣の強い危機感と覚悟がひしひしと伝わってきます。
同社は2023年度までにCASE関連の売上高を1兆円にまで引き上げる意欲的な目標を設定しました。その内訳は、駆動装置やポンプといった車の「電動化」で8000億円、車内や周囲の状況を確認するモニターなどの「自動運転」で2000億円を目指す構造です。このように明確な数字を打ち出してドラスティックに変革を推進するアイシン精機の試みは、日本の製造業全体の進むべき未来の指針になるのではないでしょうか。
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