高齢化社会が進む現代において、仕事と介護の両立は多くのビジネスパーソンにとって切実な課題です。そんな中、スポーツ用品大手のアルペンで長年店長を務めてきた内田巧さんが選んだ「週休3日制」という新しい働き方が、SNSを中心に大きな注目を集めています。「明日は我が身」「こういう選択肢が増えてほしい」と、共感と応援の声が数多く寄せられているのです。
内田さんは20代から店長職を歴任し、全国の店舗を飛び回る多忙な日々を送っていました。しかし、2018年秋に実家の姉が体調を崩しながら母親の介護を続けていることを知ります。家族の危機に直面した内田さんは、2019年10月に地元の兵庫県へ戻ることを決意しました。仕事への情熱を胸に秘め、家族を最優先にするために会社の週休3日制度を利用し、一般店員として再出発を図ったのです。
キャリアのプライドを乗り越えた先に見つけた新しい役割
週休3日のうち2日を母親の介護に充て、もう1日を家事に費やす生活が始まりました。当初は、自ら意思決定をしてきた店長時代とのギャップや、減給に戸惑いを感じることもあったといいます。しかし内田さんは、長年の管理職経験を活かして店舗の店長と若手スタッフを繋ぐ「架け橋」になれるという、自身の新しい価値を見出しました。
こうした柔軟な働き方を後押しする制度ですが、実際の社会的なニーズはどうなのでしょうか。2019年7月に実施された意識調査によると、働く人の約8割が週休3日制に賛成しています。特に、週末だけでなく平日の「水曜日」に休みを希望する声が最も多く、適度な休息が仕事の効率を上げると考える人が増えているようです。
制度の壁とこれからの生き方を切り拓く勇気
一方で、2019年の公的な調査では、週休2日を超える休日制度を導入している企業は、わずか7.7%にとどまっているのが実情です。介護離職を防ぐセーフティネットとして、こうした制度の普及が急務であると私は強く感じます。単に休むためではなく、大切なものを守りながらキャリアを継続するための手段として、多様な働き方が認められるべきではないでしょうか。
内田さんは春から、離れて暮らしていた妻子を呼び寄せ、母親も交えた新しい同居生活をスタートさせます。これまでのキャリアの形に縛られず、変化を恐れずに新しい生き方を切り拓くその姿は、同じように家族を支える多くの現役世代に勇気を与えてくれるでしょう。
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