全国の地方銀行で、従来の紙の通帳からインターネット上で明細を確認する「デジタル通帳」への移行を促す動きが急速に活発化しています。メガバンクの三菱UFJ銀行が、ウェブ口座への切り替えを行った顧客に1000円をプレゼントする大胆な企画を打ち出して話題となりましたが、このトレンドは地域密着型の地銀にも確実に波及しているようです。
SNS上では「通帳の記帳に行く手間が省けて本当にありがたい」「アプリでいつでも残高が見られるのは予想以上に快適」といった好意的な声が数多く上がっています。その一方で「スマートフォンの操作に慣れていない高齢の親の世代にとっては、少しハードルが高いかもしれない」といった、今後の普及に向けた課題を懸念する意見も聞かれました。
こうした中、横浜銀行は2020年2月3日から、紙の通帳を廃止してネット上で完結する「ウェブ口座」へ変更した預金者を対象に、一律で500円分のAmazonギフト券を贈呈する太っ腹なキャンペーンをスタートさせました。2020年5月30日まで人数制限を設けずに実施される予定であり、非常に魅力的な試みとして注目を集めています。
銀行側がこれほど熱心にキャッシュバックを行う背景には、膨大な維持費の問題が存在します。ここでいう「印紙税」とは、国に納める特定の文書に課される税金のことで、紙の通帳には印刷代や紙代と合わせて、年間1口座あたり約250円ものコストが発生しているのです。
横浜銀行では、今回の施策によって新規と切り替えを合わせて約2万4000ものウェブ口座が誕生すると予想しています。ギフト券の総額は約1200万円に達する見込みですが、中長期的な視点に立てば、紙の通帳にかかる諸経費を大幅にカットできるため、十分に元が取れる計算です。
同行は2022年3月末までに、ウェブ口座の数を2019年比で6倍以上となる20万6000口座まで拡大させる野心的な目標を掲げています。これが実現すれば、最終的には年間で約5000万円ものコスト削減効果が生み出される見通しとなっており、経営効率化への期待が膨らみます。
また、第四銀行でも2019年に、通帳アプリへの切り替えを行った利用者を対象として、抽選で1500名に現金1000円を口座へ直接振り込むキャンペーンを実施しました。このように、あの手この手でデジタル化を推進する地銀が全国で増加しています。
すでに先行してデジタル通帳の普及に乗り出し、確かな手応えを感じている金融機関も現れ始めました。常陽銀行は2017年11月から個人向けのウェブ口座を提供しており、全体の割合こそ2%弱ですが、新規に開設される口座においてはなんと約3割をデジタル口座が占める勢いです。
さらに広島銀行が2019年2月から導入した通帳レス口座「スマートe」でも、新規で約1万4000件、既存口座からの切り替えで約7000件の実績を上げています。作成費用の節約だけでなく、磁気不良の対応や繰り越し手続きといった窓口業務の負担も大きく軽減されました。
紛失や盗難のリスクを排除できる通帳レス化は、セキュリティの観点からも非常に優れた選択肢だと私は確信しています。顧客にとっては利便性が向上し、銀行にとっては業務の効率化と大幅な経費削減に繋がるため、まさに双方にとってメリットしかないウィンウィンの施策と言えるでしょう。
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