歴史ある厳かな寺院で、信じがたい巨額の不祥事が発覚いたしました。愛知県瀬戸市にある尾張徳川家ゆかりの古刹「定光寺」において、前住職とその息子である前副住職が、檀家の方々から寄せられたお布施など約1億1000万円を私的に使い切っていた疑いがあることが2020年1月31日、関係者への取材により明らかになりました。これを受けて名古屋国税局は、本来差し引くべき税金が納められていない「源泉徴収漏れ」を指摘しています。
源泉徴収漏れとは、給与や報酬を支払う側が、あらかじめ税金を差し引いて国に納める手続きを怠ることを意味します。今回のケースでは、流用された資金が事実上の「給与」とみなされたため、この指摘を受けました。重加算税を含めた追徴課税の総額は約4000万円に上り、定光寺側はその大半をすでに国へと納付したとのことです。神聖な場所で起きたこの金銭トラブルに対し、インターネット上のSNSでは「信仰心が踏みにじられた」「お布施が私欲に使われるなんて絶望した」といった怒りや悲しみの声が相次いでいます。
過去には違法開発による懲戒処分も!帳簿から消えた巨額資金の行方
驚くべきことに、この親子による問題は今回が初めてではありません。定光寺を包括する臨済宗妙心寺派は、国定公園に指定されている寺院周辺の山林を勝手に切り開いて違法に開発したとして、2017年2月24日までに前住職を罷免する懲戒処分を下していました。今回問題視されているのは、2013年7月1日から2017年2月28日までの期間における不透明な金銭のやり取りです。
国税局の調査によると、戒名のお礼として受け取った7780万円や志納金60万円のほか、寺の口座から引き出された750万円が帳簿に記録されていませんでした。これらは前副住職がプライベートで消費したと判断されています。さらに霊園の供養料230万円の記載漏れや、実体のない清掃員へ支払ったと見せかけた2240万円の「架空給与」まで発覚しました。
臨済宗妙心寺派の宗務本所が2019年12月に両氏へ事実関係の聞き取りを行ったところ、彼らは「適切な手続きを行っている」と流用を否定し、具体的な使い道の開示を拒否しています。宗務本所は「寺院に多大な損失を与えた」として厳しい姿勢を見せており、今後の法的措置を含めた対応が注目されます。伝統ある寺院が一部の者の手によって私物化され、信頼を失っていく姿には強い憤りを感じざるを得ません。宗教法人はその免税特権に甘えることなく、より透明性の高い運営を行うべきでしょう。
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