会社のオフィスに、本格的なお酒が無料で楽しめるバーがあったら素敵だと思いませんか。医療機器の製造開発で知られるアークレイ株式会社では、京都の本社内に「論談バー」と呼ばれる特別な空間を設置し、社内外で大きな注目を集めています。終業時刻の17時30分を迎えると、1階のバーカウンターには部署を超えて多くの社員が集まり、心地よい賑わいを見せるのです。
この取り組みはSNSでも「福利厚生が神すぎる」「こんな会社なら毎日出社したい」と、羨望の声が次々と上がっています。社外の友人に自慢したくなるようなユニークな環境は、会社のイメージアップにも一役買っているのでしょう。機密情報を扱う研究職にとっても、社内というクローズドな空間だからこそ、企業秘密の漏洩を心配せずにディープな議論ができる点も大きなメリットです。
無料化が生んだ「心理的安全性」と驚きの交流実績
2011年に設置されたこのバーは、元々は1杯100円の有料制でした。しかし、2017年11月に予約制を廃止して完全無料化へと舵を切ったところ、利用者が爆発的に増加したのです。現在は月平均で延べ450人もの社員が利用しており、社内の重要なコミュニケーションインフラとして機能しています。
ビジネスにおいて、近年「心理的安全性」という、誰もが否定される恐怖を感じずに発言できる環境の重要性が叫ばれています。この論談バーは、まさにその心理的安全性を高める最高の装置と言えるでしょう。お酒の力を少しだけ借りることで、業務中には見えにくい上司や同僚の「素の表情」に触れられ、組織の風通しが劇的に良くなるはずです。
セクショナリズムを打破する、夢を語り合う空間の価値
多くの企業が頭を悩ませる問題に、部署間の壁が厚くなる「セクショナリズム」があります。しかし、アークレイではバーでの気軽な出会いがワンクッションとなり、実際の会議でも遠慮のない円滑なコミュニケーションが実現しています。若手社員がベテラン層と接するハードルを下げる効果も抜群です。
私は、現代のビジネスにこそ、こうした「一見すると無駄に見える遊び心」が必要不可欠であると考えています。コストや効率の追求ばかりでは、既存の枠に収まるアイデアしか生まれません。利害関係を忘れ、お互いの夢や本音を語り合う時間こそが、未来の医療を支える画期的な研究の芽を育む原動力になるに違いないのです。
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