多くの人々を乗せた豪華クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が、2020年2月6日の早朝に物資の補給を目的として横浜港の大黒ふ頭へと着岸いたしました。新型コロナウイルスの検疫(海外から持ち込まれる感染症の流入を防ぐための検査や隔離処置のこと)のため、これまで横浜の沖合に留まっていた同船ですが、この日も新たに10名の感染が確認されるという緊迫した状況が続いています。最大で14日間に及ぶとされる船内隔離に対し、乗客の間では先行きへの不安が急速に広がっているようです。
2020年2月6日の午前8時頃、運航上の都合で一度沖合に出ていた巨大な船体が、再び大黒ふ頭の近くへと姿を現しました。午前9時頃に静かに岸壁へと接岸すると、客室のベランダには数多くの乗客が姿を見せ、長旅の疲れをにじませながら陸地を見つめる人や、手を振る姿が印象的に映ります。その後、午前10時半を過ぎた頃には救急車が現場に到着し、白い防護服に身を包んだ医療関係者によって、新たに感染が判明したとみられる人々が速やかに医療機関へと搬送されていきました。
厚生労働省からの指示により、乗客の皆様は基本的にご自身の客室から出られない生活を余儀なくされています。かつて賑わいを見せた船内のレストランは使用されず、スタッフが各部屋へ食事を届ける形式がとられました。SNS上では現地のリアルな食事情が次々と投稿されており、2020年2月6日の朝食にはパンやゆで卵が配られた模様です。昼食や夕食には、エビの炒め物やビーフシチューなど、複数のメニューから選択できる工夫も凝らされていると報告されています。
隔離が長期化する中で、ネット上では「部屋から出られないのは精神的にきつい」「食事を選べるのは救いだけど、やはり先が見えないのが一番怖い」といった、精神的な負担を心配する声が相次いで寄せられました。こうした乗客の心身のストレスを少しでも和らげるため、運航会社は家族との連絡用に無料のインターネットや電話回線を開放しています。情報から遮断される恐怖を和らげるこの対応は、孤立感を防ぐための極めて重要なファインプレーであると感じます。
また、持病を抱える乗客からは「いつも飲んでいる薬が足りなくなる」という切実な声が寄せられており、2020年2月5日の夕方には、不足している医薬品のリクエストを募る船内放送が流されました。要望書を通じて必要な薬を手配する仕組みが整えられたほか、体調不良者には医務室での診察や客室への往診で対応しています。こうした一刻を争う医療的ケアの充実こそが、現在もっとも優先されるべき人道的な支援であることは間違いありません。
現場となった横浜市も、要請に応じて保健師による健康相談や医薬品の提供といったバックアップを検討し始めました。市当局は「災害時の避難所支援に近いが、船内という特殊な環境であるため国や県との連携が不可欠」と極めて慎重な姿勢を示しています。誰も経験したことのない未曾有の事態だからこそ、行政の枠組みを超えたスピーディーな決断と、乗客乗員の五感に寄り添った「心のケア」が今まさに試されていると言えるでしょう。
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