横浜港に停泊中の大型クルーズ船で何が起きているのか?新型肺炎による検疫の現場を追う

2020年2月5日、穏やかな横浜港の風景とは裏腹に、港の沖合では大きな緊張が走っています。新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を受け、乗客乗員あわせて約3700人を乗せた豪華クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が、検疫のために足止めを余儀なくされているのです。香港で下船した乗客から感染が確認されたことを受け、船内では現在、検疫官らが乗り込んで健康状態を確認する「臨船検疫」が懸命に行われています。

そもそも「検疫」とは、感染症の蔓延を防ぐための極めて重要なプロセスです。英語で検疫を意味する「クアランティン(quarantine)」の語源は、中世ヨーロッパでペストなどの感染症を防ぐために、船を40日間隔離した歴史に由来しています。現代においても、感染の疑いがある方を通常生活から分離するという原則は変わりません。乗客の方々の不安を思うと胸が痛みますが、社会全体を守るための苦渋の選択といえるでしょう。

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船内で行われている対応と、見えてきた不安の正体

現在、厚生労働省は船内の乗客約2600人と乗員約1000人、全員の体温測定や健康チェックを進めています。発熱がある方にはウイルスの検査も実施されていますが、すべての検査結果が出るまでは、症状がない方も含め船内で待機していただく必要があるとのことです。誰が陽性で、誰が濃厚接触者なのか。この明確な切り分けができるまでは、出口の見えない長い時間が続いてしまうことになります。

SNS上の投稿を拝見すると、突然の船内放送で感染の事実を知らされた乗客の方々の戸惑いが伝わってきます。船内ではレストランやカジノなどの施設は通常営業を続けているとの情報もありますが、閉鎖された空間での生活は、心身に計り知れないストレスを与えているのではないでしょうか。中には体調不良で病院へ緊急搬送される方も出ており、一刻も早い事態の収束を願わずにはいられません。

運航会社は横浜港を出港予定だった次のクルーズの中止を決定しました。5日中には着岸し、検疫をパスした方から順次下船できるのではないかという見方もありますが、現時点では詳しい目処は立っていません。私たちの日常生活を脅かす感染症の恐ろしさを、改めて痛感する出来事です。行政には、一人ひとりの乗客の方々の健康とケアを最優先にした迅速な対応を強く期待したいところです。

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