四国地方の海が、これまでにないほどの賑わいを見せています。国土交通省の出先機関である四国地方整備局が発表したデータによると、2019年の1年間で四国に立ち寄ったクルーズ船の回数は192回に達しました。これは2018年と比較して3.8%の増加であり、過去最高の記録を更新しています。
この躍進を力強く引っ張ったのが、乗客数が数百人から千人程度となる中型クルーズ船の存在です。中型船の寄港は27回を数え、前年からなんと5割も跳ね上がりました。SNS上でも「地元の港に綺麗な船が止まっていて感動した」といった声が寄せられ、港町の活気に喜びを感じる住民が多かったようです。
この劇的な増加の背景には、瀬戸内海の島々を舞台に開催された現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2019」があります。多くの旅行会社が、この世界的なアートイベントを観光ルートに組み込んだ魅力的なツアーを企画しました。芸術祭がお目当ての旅客にとって、船旅は最高の移動手段となったのでしょう。
また、乗客数が数千人規模にのぼる大型クルーズ船も20回港を訪れ、前年より2回増えています。2019年には日本生まれの壮大な国際豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」が、高松港と松山港へ待望の初入港を果たしました。SNSではその圧倒的な大きさと美しさに驚く写真が数多く投稿されています。
ダイヤモンド・プリンセスは、2020年にも再び両方の港へやってくる予定が組まれており、さらなる観光効果が期待されます。一方で、乗客が数千人規模になる船は、港の設備や受け入れ体制が重要です。地域全体で温かくおもてなしをする準備が、今後のリピーター獲得の鍵になるのではないでしょうか。
しかし、楽観視できない側面も存在します。これまで急激に拡大を続けていた中国発のクルーズ市場が、現在は成長の勢いが落ち着く調整局面に入ったためです。日本全国で中国からの船が減少傾向にあり、四国地方整備局も今後の地域への影響を注意深く見守っていく姿勢を示しています。
ちなみに、小回りの利く小型船の寄港は145回と、前年から4回ほど数字を減らしました。時代の変化や市場のトレンドによって、求められる船のサイズにも変化が生じている様子が窺えます。一過性のブームで終わらせず、四国独自の文化や自然の魅力を世界へ定着させる絶好の機会です。
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