【印ロ急接近】北極圏油田開発とミサイル「S400」導入で合意!米中を牽制する両国のエネルギー・軍事思惑とは?

国際社会のパワーバランスが大きく揺れ動いています。ロシアとインドがエネルギーと軍事の両面で急速に結束を強めている事実に、世界中の注目が集まっている状況です。ロシアの政府系石油最大手ロスネフチは、2020年02月05日にインド企業が北極圏の巨大な油田開発計画へ参画することで基本合意したと発表しました。この動きはネット上でも「アジアの勢力図が激変するのではないか」と、大きな反響を呼んでいます。

今回の目玉となる「ボストーク・オイル」は、東シベリアの複数の油田を開発する一大国家プロジェクトです。2030年までにロシア全体の2割近くに匹敵する年1億トンもの石油生産を目指しています。さらに、2020年中にロシア南部の港から最大200万トンの石油をインドへ輸出する契約も締結されました。米国や中国に次ぐ莫大な石油消費国であるインドを、ロシアは最も重要な供給先としてロックオンしている構図が鮮明になっています。

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地政学リスクを跳ね返す軍事連携と「S400」の衝撃

両国の絆はエネルギーだけにとどまりません。2020年02月05日にインドで開催された防衛展示会において、ロシア側は地対空ミサイルシステム「S400」を2021年末までにインドへ納入し、運用研修を始めると明かしました。専門用語である「S400」とは、遠方の航空機やミサイルを同時に迎撃できるロシア製の超高性能な防衛兵器のことです。米国の強い反対を押し切って導入へと突き進むインドの姿勢に、SNSでは驚きの声が広がっています。

さらに、ロシア製の自動小銃「カラシニコフ」の共同生産を2020年中に開始するほか、戦車の現地生産ライセンスも2028年まで延長される見通しです。武器の自国生産を掲げるインドのニーズにロシアが巧みに応えた結果、過去3年間のロシアの兵器受注額は約1兆6500億円に達しました。独自の防衛力を高めて近隣国への抑止力を持ちたいインドと、兵器ビジネスを拡大したいロシアの利害が完全に一致していると言えるでしょう。

米中を天秤にかけるインドと制裁を回避したいロシアの思惑

この緊密な連携の背景には、高度な外交戦略が隠されています。インドは米国から関税の優遇措置を停止されたほか、対イラン制裁の影響で原油の調達先変更を迫られていました。そのため、エネルギーの供給源を多角化し、米中ロを天秤にかけながら自国の利益を最大化する狙いが見え隠れします。一方のロシアは欧米からの経済制裁が長期化しており、新型肺炎による中国経済の減速懸念も重なって、インドという巨大市場との取引を急いでいる状況です。

筆者の視点として、今回の印ロの接近は米国の覇権に対する強力なカウンターになると確信しています。米国はかつて「S400」を導入したトルコに厳しい制裁を科した過去があり、今回のインドの決断に対しても猛反発することは避けられないでしょう。しかし、インドが全方位外交を展開して大国を手玉に取る戦略は、自国の安全保障とエネルギー確保の観点から極めて合理的です。この大胆な二国間同盟が、今後の世界情勢を占う試金石となるのは間違いありません。

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