東京株式市場が驚異的な回復力を見せています。日経平均株価は2020年2月6日までに3日連続で続伸し、この期間の上げ幅は一気に900円を突破いたしました。1月は中東情勢の緊迫化や中国における新型肺炎の感染拡大といった悪材料が重なり、多くの投資家が弱気になっていた時期です。しかし2月に入ると、中国政府が市場にお金を流通させる「金融緩和」や、アメリカとの貿易摩擦を和らげる政策へと舵を切りました。これにより、世界景気の動向に業績が左右されやすい「景気敏感株」を中心に急激な買い戻しが膨らんでいます。
中国政府がアメリカからの輸入に関税をかける措置を一部引き下げると発表した2020年2月6日、東証1部では全体の85%を超える銘柄が値上がりするお祭り騒ぎとなりました。1日の取引額を示す売買代金は3兆円の大台を突破し、約2ヶ月ぶりの高水準を記録しています。SNS上でも「一時はどうなるかと思ったけれど、風向きが完全に変わった」「中国の対応の早さが市場に安心感を与えている」といった、安堵と驚きの声が多数見られました。
電機から自動車まで!業績上方修正で個別銘柄が軒並み急騰
今回の株高を牽引しているのが、まさに「景気敏感株」の躍進です。業種別で見ると、昨年末から苦戦を強いられていた「造船」が、2020年2月6日の1日だけで7%も上昇してこれまでの遅れを取り戻しました。また、自動車などの「輸送用機器」や「機械」の強さも際立っています。個別では村田製作所や日本電産が4%高と高値を付けたほか、同日に通期の業績予想を上方修正したトヨタ自動車が3%高、川崎重工業にいたっては9%高という驚異的な急騰を記録しました。
こうした動きは、世界的な金融緩和が継続することへの期待感が背景にあります。しかし、手放しで喜び続けるのには少し慎重になるべきでしょう。日本株の下落要因となった新型肺炎は、決して終息の目処が立ったわけではありません。市場の専門家からは「まだリスクを十分に織り込んでいない中で、株価だけが先行して上がっている」という警戒の声も上がっています。投資家としては、一時的な反発に惑わされず、中国の動向や感染症の実態を冷静に見極める視点が求められます。
さらに、インバウンド減少の煽りを受けて年初から売り込まれていた日本航空や、小売業のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスなども、過度な不安が和らいだことで押し目買いが入っています。日経平均は2019年末の水準を回復しましたが、ここからは利益確定の売りが出やすい局面です。市場の振れ幅がまだ大きい今こそ、私たちは目先の数字に一喜一憂せず、企業の持つ本来の底力に注目していくべきではないでしょうか。
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