日本銀行松本支店は2020年2月6日、最新の金融経済動向を発表しました。その中で、長野県内の景気判断が実に10カ月ぶりに引き下げられる事態となっています。これまで信州の経済は、台風19号などの自然災害に見舞われながらも、着実に回復の兆しを見せていました。しかし、今回の発表では「いく分ペースを鈍化させつつも、緩やかに拡大している」という表現へ改められ、現状への危機感がにじみ出ています。
景気後退の大きな要因となっているのが、長野県のお家芸とも言える製造業の落ち込みです。背景には、世界を揺るがしている米中貿易摩擦が影を落としています。海外の景気が冷え込んだ影響により、スマートフォンや家電に使われる半導体や電子部品の需要が低迷してしまいました。さらに、中国市場での自動車販売が不振に陥ったことも、県内の部品メーカーにとって大打撃となっている模様です。
ここで注目したい専門用語が、工作機械などの「受注残(じゅちゅうざん)」という言葉です。これは「注文を受けたものの、まだ出荷できていない製品のストック」を意味します。これまでは豊富な受注残に支えられて「生産は高水準で横ばい」を維持していました。しかし、海外からの新規注文が途絶えたことでこの蓄えが減少しており、日銀もついに「弱含んでいる」との判断を下さざるを得なかったのです。
このニュースに対し、SNS上では「製造業の期間工だけど、確かに残業が減ってきている」「地元の自動車部品工場が静かで心配」といった、現場のリアルな声が相次いで投稿されています。また、「暖冬のせいでスキー場に雪がないのに、これ以上景気が悪くなったら生活できない」という、観光業に携わる方々からの切実な悲鳴も目立ちました。人々の不安は、目に見えて高まっていると言えるでしょう。
編集部の視点として、今回の下方修正は長野県経済にとって大きな警鐘だと捉えています。特に2020年に入ってからは、記録的な雪不足に加えて、世界的な流行の兆しを見せる新型コロナウイルスが観光業に深刻な影を落とし始めています。これらは今後の景気をさらに押し下げる「下押しリスク」として、極めて危険な要素です。今後は製造業のみならず、地域を支える観光産業への迅速な支援策が必要不可欠になってくるでしょう。
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