日田彦山線の復旧に新展開!JR九州が提案するBRT(バス高速輸送システム)のメリットと地元の葛藤に迫る

2017年7月5日の九州北部豪雨によって被災し、今も一部区間で不通が続いているJR日田彦山線。その未来を占う重要な協議が、2020年2月12日に大分県日田市で執り行われました。沿線自治体の首長とJR九州の青柳俊彦社長が集結したこの会議では、今後の復旧に向けた方針が激しく交わされています。移動手段の確保は地域住民の生活に直結する死活問題であるため、一刻も早い決断が求められる局面を迎えたといえるでしょう。

今回の話し合いでJR九州は、バス高速輸送システム、通称「BRT」による復旧案を改めて前面に打ち出しました。これは一般のバスとは異なり、専用の道路を設けることで渋滞に巻き込まれず、電車のように正確な時間で運行できる次世代の交通システムです。これに対して大分県と福岡県の両知事は一定の理解を示しており、2020年3月末までに開催される次回の会合で、復旧への大まかな方向性を確定させることで一致しました。

沿線に位置する大分県日田市や福岡県添田町も、本音を言えば従来の鉄路での復旧を望んではいます。しかし、何よりも迅速な地域の足の再生を最優先にするという現実的な視点から、BRT案の本格的な検討を受け入れる姿勢に転じました。鉄道に固執するあまりに復旧の手続きが何年も停滞してしまうくらいであれば、利便性の高い新しい移動手段を柔軟に取り入れる方が、結果的に住民の利益に繋がると判断したのでしょう。

一方で、激しい過疎化に直面している福岡県東峰村だけは、最後まで鉄道による復旧の旗を降ろしませんでした。東峰村の渋谷博昭村長は「鉄路の復活を心から願う人々の声が、いとも簡単に切り捨てられてしまった」と、協議の席で強い憤りを露わにしています。地域を象徴する駅や線路が失われることは、村のアイデンティティや観光資源の喪失にも繋がりかねないため、村長が頑なに拒絶する理由も痛いほど理解できます。

現在も運行が止まっている添田駅から夜明駅の区間について、JR九州は自治体からの莫大な財政支援がない限り、鉄道での再開は経営的に不可能であるという厳しい見解を繰り返しました。その代わりとして提示されたBRTの具体策には、既存の駅に近い場所に細かく停留所を設置することや、誰もが乗り降りしやすいバリアフリー車両の導入が盛り込まれており、バスならではの強みを活かした魅力的な内容も含まれています。

大分県の広瀬勝貞知事は「鉄道での復旧は非常にハードルが高く、これからは住民の目線に立ってBRT案をより良い形にブラッシュアップしていくことが極めて重要だ」と、現実路線への舵切りを強調しました。福岡県の小川洋知事も、巨額の税金を投入して鉄道を維持することに対しては「広く県民の納得を得るのが難しい」と語っており、限られた財源をどこに配分すべきかという行政トップとしての苦渋の決断が垣間見えます。

インターネット上のSNSでもこのニュースは瞬く間に拡散され、多くの関心を集めています。「利便性が上がるならBRTでも大歓迎」「バスの方が本数を増やせて便利になるのでは」という前向きな意見が見られる一方で、「やはり線路が消えてしまうのは寂しい」「過疎地の切り捨てに繋がらないか不安だ」といった、鉄道への愛着や地方衰退を懸念する声も数多く上がっていました。

編集部としては、単に過去の形へ戻すことだけが真の復旧ではないと考えます。鉄道の持つ情緒も捨てがたいですが、BRTが持つ「停留所を増やせる柔軟さ」や「維持費の安さ」は、これからの人口減少社会において持続可能な地域づくりに大きく貢献するはずです。東峰村の孤立を防ぐケアを徹底しつつ、住民が本当に毎日を快適に過ごせるような、実利を重視した先進的な交通ネットワークの誕生に期待したいところです。

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