ネット通販の利用が日常に定着する中、私たちの手元に荷物を届ける拠点となる物流施設は、かつてないほどの需要拡大に沸いています。しかしその裏側では、働いてくれるスタッフの確保が非常に難しく、時給を引き上げても応募が集まらないという深刻な雇用問題に直面しているのが現状です。こうした危機的な状況を打開すべく、不動産大手の三井不動産は2020年2月13日、千葉県船橋市にある物流施設「MFLP船橋」の内部に、人の手を一切借りない革新的な展示施設を開設しました。
今回お披露目されたのは「ICT LABO 2.0」と呼ばれる、最先端のテクノロジーを凝縮した約1000平方メートルのショールームです。この施設最大の驚きは、トラックのコンテナから商品が運び出され、再び積載されるまでの全工程において、全く人間が介在しない点にあります。SNS上でも「ついにSFの世界が現実になった」「物流の景色がガラリと変わりそう」といった、驚きと期待が入り混じった好意的なコメントが多く寄せられており、世間の関心の高さが伺えました。
通常であれば、これほどの規模の荷役作業をこなすためには約20人ものスタッフが必要だとされています。しかしこの施設では、無人でスムーズに走行するフォークリフトや、商品を正確に選び出すピッキングロボット、さらには段ボールの封を自動で閉じる機械など、約10種類におよぶ多様なメーカーの機器が連動しているのです。複数の異なるシステムをスムーズに連携させて一つの自動化ラインを構築することは、専門的な知識と高度な調整が求められる難易度の高い作業だといえます。
現在の不動産市場を見ると、東京圏における大型物流施設の供給量は右肩上がりで増え続けています。専門機関の調査によれば、2019年の新規供給は前年比16%増の207万平方メートルに達し、空室率は1%を割り込むほどの活況ぶりですが、箱が増えても働く人が足りなければ意味がありません。だからこそ、三井不動産が提供するような「自動化の提案」は、物件を探す企業にとって救世主のようなサービスになるはずです。
私はこの取り組みに対し、単なる不動産賃貸の枠を超えた素晴らしい挑戦だと感じています。同社は今後、入居を検討する企業に対して予算や要望に応じた機器のカスタマイズ提案を行う予定だそうですが、こうしたコンサルティング支援こそが、今後の物流業界の標準となるでしょう。自動化はコストがかかるものの、長期的な労働力不足を解決する唯一の手段であり、業界全体のDXを力強く牽引していくに違いないと確信しています。
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